welcome 2 paradise

makoto.h ページ27

長い廊下を進んでいくと、床に落ちていた1枚のカード





「なにこれ」






拾ってみるとそれは何処かのカードキーのようだった






落し物？面倒だけどどこかに届けておくか…








そう思って周りをキョロキョロしていると







『おねーさん！それ俺の』







どこからか声がしてその方向を見ると黒髪で色白の男がこちらへやって来た









「あ、どーぞ 落ちてましたよ」






『ありがと』






長めの前髪から覗く優しい目でニコッと笑った彼









大学生かな？好青年だなあ





なんて呑気なことを考えていたら









慎「俺、慎。おねーさんは？」







「へっ？ ああ、名前ね Aです」






慎「Aさん、俺と一緒に来る？これ使えば楽しいとこ行けるんだよ」







爽やかな笑顔でカードキーをヒラヒラさせる慎くん





…楽しいとこってめちゃめちゃ胡散臭くない？！







慎「…Aさん？」







「ああ、ごめんなさい ぼーっとしてた笑」







慎「迷ってるの？ねえ、行こうよ。絶対後悔させないからさ」









先程のような年相応な爽やかな笑顔から一変して

艶っぽく口角を上げて笑った慎くん







落ち着いた声のトーンから男の人だと意識させられる







…いや、なんでドキドキしてるの私？






慎「どうする？」






そう言って手を差し出してきた









なぜその時彼について行こうと思ったのかは今考えると分からないが、直感だったと思う









私はゆっくりと慎くんの手を握った









心臓がバクバクとうるさい









なんだか恥ずかしくて顔を見られなくて俯いていたら








ぐいっと腕を引っ張られてそのまま腰を抱き寄せられた








「ちょっ、、！」









びっくりして見上げるとそこには慎くんの綺麗な顔








「…！！」







慎「ねえ、一目惚れって信じる？」








そう言って頰を撫でる







それはとけそうなくらい甘くて、私を映すその瞳は一度捕まったら逃げられないくらい魅力的で







恥ずかしくて逃げたいけど腰をがっちりホールドされてるからどこにも行けない









きっと顔が赤くなってるであろう私を見て彼はふっと余裕そうに笑った









そしてそのまま顔が近づいてくる









「ちょっ、そういうつもりじゃ…」

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