welcome 2 paradise

itsuki 6 ページ12

今日はやたらいろんなとこにキスしてくるからいちいちドキドキしちゃう





樹くんのキスにはどんな意味がこめられているんだろうか








向かいの彼を見上げれば









樹「ん？どうしたの？」






なんて今度は頰に一瞬触れるだけのキス








キスされたところが熱を帯びていって








もうなんか難しいこと考えたら負けな気がして、今この瞬間に身を任せてしまえばいいや









「キス…するの好きなの？」







樹「…Aにするのは好きかも」









そう言って親指で私の唇を優しくなぞる








それ以上は何も言わずにじーっと私を見つめてくるからその熱っぽい視線が焦れったくて









周りは爆音で音楽が流れているはずなのに私達の周りだけ音が消えたかのように静かに感じる









そのまま樹くんの手が頰に触れたから









あ、キスされるって思ったのに









いつまでたってもその感覚はやってこない








ちらっと樹くんの方を見ると








樹「欲しがりだね」







なんて余裕そうに笑うから









「だって…そこまでしておいてずるい」








樹「どうして欲しい？」









ほらやっぱりずるい






私がどうして欲しいか分かってて聞いてるんでしょ？









「…樹くんの好きにして」









ここでキスしてって素直に言わないで樹くんに任せる私も結構ずるい奴なのかもしれない









樹「ふっ、素直じゃないなあ」









優しく笑った彼は私の腰を引き寄せて



キスを落とした









触れた唇からは熱が伝わり、そのまま目を閉じて受け入れた









数秒したら離れた唇








薄く目を開いて樹くんを見れば 伏し目がちにこちらを見る視線と絡まる








ドキドキして仕方ないけど、どこか物足りなさを感じてる自分がいて









私いつからこんな欲張りになったんだろう









樹「そんな顔しないでよ笑」









「えっ？何のこ『もっとって顔してる』と…」

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