『テニプリ』満点ノ恋空-six-

「ハッピーバースデー！」=遠山金太郎 ページ9

「わい今日誕生日なんやで！」


幼馴染みの金太郎が、春休みを利用してうちに遊びに来ていた時のこと

急にそんなことを言ってきた


『･･･あ、そうだった！ごめん、すっかり忘れてたよ』

「ええっ?!ホンマに?わいの誕生日やで?!」

『ごめん、最近忙しくて･･･』

「いーやーやー！わい、Aに祝ってもらいたいー！」

『そんなこと言われても･･･』


駄々を捏ねる金太郎に、私は困り顔

地団駄を踏んでる金太郎を、どうにかあやさなければ

部屋の床が抜けそうだ


「もういい！わいの誕生日忘れるAなんて嫌いや！！！」


金太郎は怒って、ドスドスと扉の方まで歩いていく

まずい。止めないと。


『あっ！ちょ、金太郎待って！待って！ごめんてば！』


腕を必死に引っ張るが、バイクを持ち上げてしまう金太郎には勝てるわけがない

あと60秒、60秒我慢･･･！踏ん張れ私！！


『(･･･よし！)』


時計の秒針が12時を指したことを確認し、手の力を緩めた

扉を開け、階段を降りて行く金太郎の後ろをついて行く

胸に期待と不安を浮かばせながら

金太郎がリビングに繋がる扉を開けた瞬間


―パンッ、パンッ！


紙吹雪が舞う


「「「誕生日おめでとう、金太郎！！！」」」

「･･･え」

『ふふ、誕生日おめでとう金太郎』

「･･･し、白石、ケンヤも、銀も、財前まで！それに、おばさん、おじさん、オカンもオトンも！

な、何で?だって、A忘れてたって･･･！」

『今日は金太郎の誕生日だけど、エイプリルフールでもあるんだよ?

忘れるわけ無いじゃん、大切な金太郎の誕生日だもん』


嬉しいのか、驚きのあまりか、金太郎は涙目


「おめでとう、金ちゃん。このサプライズはな、全部Aちゃんが企画したんやで?」


白石さんの言葉に、金太郎が私を見る


「おーきに、A！」

『うわっ』


勢いよく抱き着かれて、少し後ろによろけた


「皆も･･･おーきに！わい、皆のこと大好きや！」


誕生日おめでとう、金太郎。

あなたのこの１年が、幸せに溢れるといいな。


―


Happy Birthday 金ちゃん！



　

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