『テニプリ』満点ノ恋空-six-

青学大家族！6 ページ16

『わーっ！』

「ぶーんっ！！」

『あははははっ！』


英二先輩に肩車をしてもらって、Aははしゃいでいる

こんなに楽しそうなAは久しぶりに見た気がする


「着陸しまーっす、ぶーんっ！」

『あははっ！もっかい、もっかーい！』

「もっかい?よぉーっし、しっかり掴まっててね！」


「楽しそうだなぁ、２人とも」

「･･･不二先輩」


いつの間にか後ろに立ってた不二先輩

正直言って、かなり驚いた

心臓バクバク言ってる


「そ、そうっすね。･･･俺と居る時よりも楽しそうっす」

「ふふ、嫉妬?」

「･･･悪いっすか」


自分の妹が、自分より他人に懐いたらそりゃあ嫉妬するに決まってる


「まあ英二は面倒見良いし、Aちゃんが懐くのも無理はないだろう?そんなに拗ねないの」

「す、拗ねてないっす！」


『えーじにーたん、たのしい！』


ああ、もう腹立つ！


―


「･･･」

『･･･ぅ、ん･･･』


練習を見学俺の隣で、こくり、こくりと首を前後させてる越前(妹)

休憩中にだいぶはしゃいでいたから、疲れたんだろう


『うー･･･、だっこぉ』


と、俺のスボンの裾を引っ張る


『とーさん･･･、だっこぉ･･･』

「父さん、だと･･･?」


部員たちがクスクス笑っているのが分かる


「いいじゃない、手塚･･･。抱っこ、して、あげれば･･･っ！」


肩を震わせながら言う不二


「そうだぜ、とーさんっ！ぷっ･･･！」


爆笑している菊丸


「手塚･･･、父さん･･･お願いするっす･･･。ふっ、くっ･･･！」


帽子を深く被り直し、それでも笑っているのを隠せていない越前


「･･･今回だけだぞ」


越前(妹)は、抱き上げると俺のTシャツを掴み、眠ってしまった


「父さ、手塚部長！足下のボール、拾ってもらっていいっすか?」

「父さん、それ俺のボール！」


しばらくあだ名が《父さん》になった



　

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