16.My sister,Dear sister ページ15
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美歩「…で、ラインを交換したと」
「…はい」
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場所は私の部屋に移動となり、美歩をとりあえず落ち着かせ、頭から全てを話した。
美歩は私より恋愛経験が倍以上ある。それは子供じみた「恋」かもしれないけど何もしていない私よりは断然上。
赤裸々に何もかも暴露したあと、美歩は私が幼稚園の時からずっと大事にしているかっぱのぬいぐるみを抱きしめて床に座ってる私を見下ろした。
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部屋は寒くて、暖房がついている音がする。暖房の匂いは冬の匂い。
スマホの画面には『二宮和也』という文字が綺麗に映し出されている。
この文字だけで幸せ。連絡なんて取れなくてもいいって思ってる私はきっとおかしくて
でも連絡が取れたら…って想像をしたら幸せの度を越して死んじゃうんじゃないかなんて。
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美歩「バカじゃないのおねーちゃん」
「バッ…！？」
美歩「普通、ライン交換したその日に『Aです♡ 届いてますか？』って打つでしょ！」
「何そのハートマーク！無理！」
美歩「そんなんだから彼氏出来ないんだよ、おねーちゃんはさぁ！」
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貸せ！って言って無理やり取り上げられたスマホ。「あっ！」って慌てて取り返そうとした時には
既に現代っ子の美歩が素早い指さばきで二宮さんにラインを打っていて
自分の手元にスマホが帰ってきた時には、トーク画面が開かれていて
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「二宮さん、お仕事お疲れ様です。昨日はラインありがとうございました♡ Aでっす！……ってなにこれなにこれ！」
美歩「そんぐらいしなきゃダメですぅ」
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バッカみたいなメッセージ。
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「あー！もうどうしようどうしよう！」
美歩「うっるさ！私彼氏とこのあとデートだからなんか進展あったら教えてー」
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じゃあね、ってにこやかな笑みを浮かべて部屋を出て行く美歩。
ばたん、と閉められたドアの音と共に私のハートも閉められる。
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我が妹よ。さすがにアクティブすぎやしないか。先週もデートしてなかったか。
本当に同じDNAがあるのかと不安になるのもいつものこと。
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「…っ、とにかくこのメッセージの訂正…！」
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静かになった部屋で目線をドアからスマホの方へと向ける。
…向ける、と
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「きゃあああ！」
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既読、の文字がついていた。
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