週末だけの恋。 (ページ47)

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あの頃4 ページ47

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ある日、会社から出ると何故か松倉がAちゃんと仲良さそうに話していて

俺には敬語なのに。

俺にはそんな笑顔見せないのに。

松倉、いつそんなに仲良くなったんだよ。

"メロンパンナちゃんはペット"って言ってたくせに。

そう思っていたのに、Aちゃんから理由を聞いてみたら、俺のことを聞いてたんだって。

…本当にやることが可愛いっていうか、振り回すのが上手いっていうか。

俺がずっと余裕ないこと、気づいてないでしょ。

カイトとの歓迎会があるから来週は来れないって言われたけど、いつの間にかAちゃんは毎週俺のところに来てくれるのが習慣になっていることが嬉しくて

わざわざ俺に来れないことも話してくれることが嬉しかった。

ただ、その行き先がカイトなのはムカつくけど。

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次の週、Aちゃんが来れない金曜日。

家に帰ってビールを飲もうとしたけど、週末ってこんなに寂しかったっけ。

華金って、もっと楽しいものじゃなかったっけ。

…Aちゃんがいないとつまらないな。

ビールも飲む気になれなくて、シャワーを浴びてからベランダで夜風に当たりながらずっとタバコを吸う。

灰皿にどんどん積み重なる吸い殻。

部屋の中から着信音が聞こえて、部屋に戻って画面を見るとAちゃんからで、急いで電話を出る。

ビール、飲まなくてよかったかも。

車の鍵を持って家を出て車を走らせる。

Aちゃんはカイトとは同期の関係に戻れそうだと、俺が嬉しくなる話をしてくれた。

暫くすると、隣からすすり泣きしている音が聞こえてきて、Aちゃんはきっと強がりだから、弱さを見せるのが苦手なんだと思う。

我慢しているようにしか見えなくて、丘の上にある公園に車を停める。

車から降りて助手席のドアを開けて両手を広げると、スポッと俺の腕におさまるAちゃん。

泣き止んで、俺のおかげだというAちゃんにご褒美がほしいと言ったら、少し背伸びをしてキスをしてきた。

かと思うと、照れたのか俺の腕の中に逆戻り。

…あぁ、こういう感情を愛おしいって言うのかな。

俺がキスすると、息を切らしながら目をうるませていて、正直どうにかなりそう。

そのままテキトーに理由をつけて家に連れて帰っても、Aちゃんはもう逃げる気配はない。