週末だけの恋。 (ページ22)

今日:30 hit、昨日:14 hit、合計:224,487 hit

22 ページ22

.

次の日、海人くんとお別れしてからの私は家で抜け殻状態だった。

週明けの月曜日も、元太くんに"顔死んでますよ"なんて言われる始末。

だって、ふと浮かんできちゃうんだもん。

あの時の海人くんの言葉や表情や罪悪感。

週末になってもずっと頭がいっぱいで、

でも知り合いに話せるような内容でもなくて、

何故か頼りたくなった。

『お久しぶりです』

宮近「久しぶり。なんで来てくれたの？」

いつもの公園のいつものベンチにいてくれた宮近さん。

最近来てなかったから、もう居ないかと思った。

『話、聞いてほしくて』

宮近「あのカイトの話？この前一緒にいたじゃん」

『なんで知ってるんですか？』

宮近「だってあの日金曜日だったから。ちょうど公園着いたら話してて気まずそうだったから話しかけないで帰ったけど」

『まだ私のこと待ってたんですか？』

宮近「約束したから。でもほら、今日みたいな日に役に立ったでしょ？」

『そうですけど…』

宮近「話、聞くよ」

先週末あったことを包み隠さずに全て話した。

宮近さんはまた隣でタバコを吸っている。

宮近「へぇ、不倫なんて度胸あるね」

『でも、あれ以降は特に仕事以外では連絡とか取ってなくて』

宮近「Aちゃんってさ」

『はい』

宮近「俺にはガード固いくせに不倫なんかしちゃうんだね」

『…だって、海人くんのこと好きだから』

宮近「清楚そうなのに、悪い子だね」

フーッとタバコの煙をこっちに向けてわざと吹いてくる。

『宮近さんに話したのが間違いでした』

宮近「でも、話すだけでスッキリすることってあるでしょ？」

『それは、そうですけど』

宮近「飲みに行く？気晴らしに」

"俺の奢り"と言って、タバコの火を消す。

『…行きます』

宮近「珍しいね。じゃあ行こう」

ついて行くと、着いたのはこの前宮近さんがかなり酔っていた居酒屋だった。

宮近さんは個室の席に着くと迷わず"生でいい？"と生ビール2つと鶏軟骨の唐揚げと白い卵焼きを頼んだ。

『白い卵焼きってなんですか？』

宮近「ここの卵焼きまじで美味いから食ってみ。カニ食べれる？」

『カニ好きです』

宮近「じゃあ絶対好きだよ」