週末だけの恋。 (ページ3)

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結婚を知ったあの日は、入社してから毎週末ずっと続けてきた海人くんとの電話はしなかった。

海人くんから"今日電話しなくていいの？"なんてメッセージが来たけど、未読無視して今までのトーク履歴を消した。

…海人くんのバカ。

結婚してる相手に気軽に電話なんて、できるわけないじゃん。

週明け会社に行って、社内用メールを確認したら、そこにも海人くんから"お疲れ。大丈夫？"の文字。

これも返信しない。

返信したところで、海人くんが結婚した事実は変わらないし。

松田「Aさん、おはようございます！」

『おはようございます』

松田「なんか元気ないですね」

『そんなことないですよ』

隣のデスクに座った松田元太。

私よりも2年後輩だけど、大卒だから歳は私と同い年。

そんなこともあって、会社の中じゃお互い敬語の微妙な距離感。

私は所謂、この人の教育係。

松田「そうだ！月曜日からであれですけど、飲み行きません？」

明るい口調で言ってきたけど、目が据わっている。

まるで強制参加って顔。

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松田「で？Aはなんでそんな元気ないの？」

グビッとCMみたいにジョッキでビールを飲む。

さっきまでさん付けで敬語だったのに、周りから会社の人が居なくなるとすぐに呼び捨てタメ口になる。

『ねぇ、元太くんその切り替えどうにかならないの？』

松田「無理。Aだって会社では俺のこと松田さんって言って敬語で話すくせに」

『まぁそうだけど…』

元太くんには、同じ会社の人だと思うと海人くんが好きだってことは話せなくて隠してる。

松田「で、なんで今日あんな暗かったの」

『別になんでもない』