週末だけの恋。 (ページ14)

今日:29 hit、昨日:14 hit、合計:224,486 hit

14 ページ14

.

宮近「ねぇ、まだ間に合うよ。」

「…やっ、」

宮近「逃げる？」

『だからっ、逃げられないんです、』

一瞬目が合って、せめてもの抵抗で睨むと、宮近さんはフッと笑って覆いかぶさっていた身体を起こした。

宮近「強がりなくせに簡単に流されちゃうAちゃん、可哀想だから今日はやめといてあげる」

宮近さんに腕を引かれて身体を起こされる。

宮近「逃げ方、次会うまでに考えといてね」

まるで、また会うのが当たり前みたい話す宮近さん。

起こされてベッドに座り込んだままの私に

"髪、乾かしてきなよ。俺より風邪ひくよ"

とドライヤーを渡してきて、ソファーでスマホをいじり始めた。

急いで乾かして、一部が濡れていた服も一緒に乾かして

バスローブから服に着替えて戻ると、宮近さんはソファーに横になって寝ていた。

濡れていたスーツとＹシャツは綺麗にハンガーにかかっている。

『宮近さん？』

声をかけても全然反応しなくて

『宮近さん、私帰ります』

トントン叩いても起きない。

『寝るなら布団かぶって寝た方が…』

宮近「んー…なに」

『顔怖いです』

やっと私の問いかけに応じた宮近さんは、寝起きが悪いのか顔が険しくて、でも口調はふわふわしている。

宮近「Aちゃんも寝よ、俺疲れた」

広めのソファーに引き込まれて、宮近さんの腕の中。

抱き枕のように私を抱きしめて足を絡めたまま本格的に寝始めたから、動いて何とか宮近さんを起こす。

『私帰りたいです』

宮近「ホテル代なら俺が払うし、今日は何もしないからここに居て。帰ったら怒るよ」

『別に怒られてもいいです』

宮近「じゃあ、帰るなら俺無理矢理手出すけど」

『それは…』

私が黙り込むと、宮近さんは私の頭を撫でた。

宮近「おやすみ、Aちゃん」