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明日は9時には来るようにと菊池さんからご指令があり、私は予定通りの8:50頃に出勤した。
社員「Aちゃん、おはよう。
会議始まるから、急いで」
あ「はい、すいません」
慌ただしくフロアを横切っていった先輩社員たちを追っていると、忙しくしているのは私たちだけのようだった。
会議室に入ると、菊池さんを始めとする企画制作部員全員が席についていた。
あ「あ......」
そっと近くの末席に座り、隣りの先輩社員に聞く。
あ「あの、あれって、社長の席ですよね」
社員「ええ、そうよ。社長ご自身の意向で、新しいプロジェクトの企画立案に関連したすべての会議に
社長は出席するの。もちろん、意見も言うのよ」
あ「珍しいですね」
社員「そうね、他の会社と比べたら珍しくも見えると思うけど、私たちはもう慣れっこだから」
菊池「それでは、みんな揃ったところで、新プロジェクトの企画会議を始めます。よろしく」
中「よろしく」
会議が始まると、初めてのことだらけで、私はメモを取るのに必死で、参加者というより傍聴者だった。
でも、傍聴者の私から見ても、節々で意見する社長の指摘や提案は、どれも完璧に筋が通っていて、
一方で他の意見を聞くときは真剣に何かを考えるような顔つきで聞いていて、
何というか、
昨日初めて会ったときとは全く違う印象を抱いた。
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会議が終わると、先輩社員たちはそそくさと会議室を後にした。
あ「あ、あの、おつかれさまです」
中「ん、おつかれ」
相変わらず無愛想には変わりないけど、きちんと返してくれた社長。
しっかりしているのか、していないのか、全然わからない。
菊「Aちゃん、お昼、一緒にどう?」
結局昨日のお代は私の歓迎会だということで全額菊池さん持ちになったんだっけ。
あ「じゃあ、私、奢ります」
菊「え、まじで?いいの?」
やった♪って喜んでる菊池さんだけど、
どうせ私に奢らせてはくれないんだろうなと思いつつ、私も会議室を後にした。
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作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時