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「「「「かんぱ−い!」」」」


座敷に座ってみんなでジョッキをコツンと合わせる。


無事に新ゲーム制作の全工程が終了し、みんなで打ち上げをしよう、ということになったのは昨日のことだった。

これからも、配信に向けて仕事は残っているのだが、とりあえずひと段落、ということでみんなもリラックスしている。








そしてこの打ち上げは、ゲームの制作が終了したということで、キャラクターデザインを担当していた咲田さんの送別会も兼ねていた。


社員「ありすちゃんがいなくなっちゃうの、寂しいよねぇ〜」

社員「私も!このままうちに来ればいいのに!」

咲田「ありがとうございます。でも、最初から、今回だけというお約束でしたし」

社員「菊池さんから社長に言って、何とかならないんすか〜?」

菊「いやぁ、あいつ頑固だからなぁ。一回決めたら絶対曲げねぇし」






今日もヒラヒラのワンピースを着た咲田さんに、鼻の下を伸ばしながら別れを惜しむ男性社員を横目で見る。

咲田さんは女性社員からの評判も良く、数人の社員に囲まれながらニコニコしていた。




はぁぁぁぁ、と盛大な溜息をつき、箸でほっけをつついていると、

佐「食べ物で遊ばないでください」

目の前に座る佐藤さんに注意される。






「........すいません」

佐「咲田さん、さすがですね。この短期間で、すっかりみなさんの信頼を得たようです」

「そうみたいですね」

佐「......星野さんは、違うんですか?」

「別に、違くないですよ、咲田さんのことは私も信頼しています」





語尾が小さくなる私を、佐藤さんは無表情で一瞥した。






「......そういえば、今日、社長いらっしゃらないんですか?」

佐「はい。他に仕事があるということで」

「相変わらずですね。一番の功労者の送別会に来ないなんて」

佐「みなさんに一番も二番もありません。全員が一生懸命取り組んだ結果です」

「.....て、社長がおしゃってたんですか?」

佐「.......」





「ま、どうでもいいですけど。どうせあとで二人で会うんでしょうから」

佐「はい?」

「佐藤さんだって知ってるんでしょう?あの二人が付き合っていること」

佐「何のことですか?」

「.......知らないんですか?女性関係は秘書にまで隠すんですね」

佐「社長は私に隠し事などしません。何かの間違いではないでしょうか?」

「そうですかねぇ」




そんなことを話していると、私の隣りに誰かが座った。









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作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時

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