*39 ジェネラルマネージャーの夜。 ページ39
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日曜の夜。0時近い時間。
俺は一人でバーカウンターにいた。
今頃あいつらはパーティーか。
Aちゃん、大丈夫かな。
慣れない雰囲気に、疲れちゃってるんじゃないかな?
?「すいません、ハイボール一つ」
バーテンダー「かしこまりました。ウィスキーはどちらのものにしましょう?」
?「あなたのオススメ」
バーテンダー「少々お待ちください」
隣りに座ったのは、暗い照明でも鮮やかなブルーのドレスを着た女だった。
女「こんばんは」
菊「......どうも」
女「お一人ですか?」
菊「......まぁ」
どうせ憐れんでるんだろ、日曜の夜に一人で可哀想って。
菊「あなたも?」
女「はい。パーティーだったんですけど、疲れちゃって」
言われてみれば、パーティードレスみたいなものを着ている。
女「社長令嬢って、疲れるんですよ。周りはみんないいなぁって羨ましがるけれど」
菊「社長令嬢なの?」
女「はい、一応。笑」
砕けた口調になったのは、飾らない彼女の魅力に惹かれたからだと思う。
女「父は昔から怖い人で、家でも敬語で話したり」
菊「うわ、俺だったら耐えらんない。笑」
女「ふふふ。笑
会社でも家でも父は社長でした」
おもしろい表現をする子だな、って思って何気なくその子を見ると、
グラスを傾ける切ない横顔があった。
菊「君、名前何て言うの?」
自然と、そんな言葉が出た。
きっと何かに惹かれたんだと思う。
女「咲田ありす、です」
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作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時