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日曜日。受付が始まるのは夕方だと言うのに、すでにタクシーに乗せられている私。
あ「あの、社長、これからどこに行くんですか?」
中「行けばわかる」
........そりゃあ行けばわかるでしょうよ。
パーティーまでまだ3時間もあるのに、なにもこんな早い時間に出発しなくても、って言ってんの!
中「どうせ地味な服しか持ってないだろうとは思っていたが、お前、まさか、それでパーティーに行く気じゃないだろうな?」
あ「ッ......は?!しゃ、社長だって、いつもと変わらないじゃないですか!!」
失礼な!!こっちだって少しは気を遣ったっていうのに!!
年に2度ほどしか着ないワンピースをわざわざタンスの奥から引っ張りだしたのに!!
そんな言い合いをしていると、いつのまにかタクシーは東京の高級お洒落タウンのど真ん中を走っていた。
中「行くぞ」
連れてこられたのは、「高級ブティック」。
店員「いらっしゃいませ」
品の良さそうな女性が綺麗な礼をした。
あ「あの、社長」
中「何だ」
あ「私、貯金崩す気、ないんですけど」
中「何の心配をしてるんだ?」
社長はさっさと店内に入っていってしまった。
値札を見なくてもわかる。このお店にあるものは多分、ローンを組まなきゃ買えない気がする。
中「まずは、これだ」
あ「え......」
店員「お客様、フィッティングルームはこちらになります」
中「あとはこれとこれ。それから、こいつに似合いそうなアクセサリーも適当に見繕ってくれ」
店員「かしこまりました」
私が動揺している間に、目の前には華やかなドレスが掛けられ、
くじいたら骨折しそうなハイヒールの、素敵なパンプスがどんどん並べられた。
後ろを振り返ると、社長はソファにふんぞり返りながら「早くしろ」と目で言ってくる。
うぅ〜。もう、何なのよ!!何で私がこんな目に合わないといけないわけ!?
腹が立った私は、適当にドレスを選び、試着室のカーテンを思いっきり閉めた。
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作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時