検索窓
今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:146,316 hit

*32 ページ32














日曜日。受付が始まるのは夕方だと言うのに、すでにタクシーに乗せられている私。





あ「あの、社長、これからどこに行くんですか?」


中「行けばわかる」





........そりゃあ行けばわかるでしょうよ。



パーティーまでまだ3時間もあるのに、なにもこんな早い時間に出発しなくても、って言ってんの!






中「どうせ地味な服しか持ってないだろうとは思っていたが、お前、まさか、それでパーティーに行く気じゃないだろうな?」


あ「ッ......は?!しゃ、社長だって、いつもと変わらないじゃないですか!!」







失礼な!!こっちだって少しは気を遣ったっていうのに!!

年に2度ほどしか着ないワンピースをわざわざタンスの奥から引っ張りだしたのに!!





そんな言い合いをしていると、いつのまにかタクシーは東京の高級お洒落タウンのど真ん中を走っていた。





中「行くぞ」







連れてこられたのは、「高級ブティック」。




店員「いらっしゃいませ」





品の良さそうな女性が綺麗な礼をした。





あ「あの、社長」


中「何だ」


あ「私、貯金崩す気、ないんですけど」


中「何の心配をしてるんだ?」





社長はさっさと店内に入っていってしまった。






値札を見なくてもわかる。このお店にあるものは多分、ローンを組まなきゃ買えない気がする。








中「まずは、これだ」


あ「え......」


店員「お客様、フィッティングルームはこちらになります」


中「あとはこれとこれ。それから、こいつに似合いそうなアクセサリーも適当に見繕ってくれ」


店員「かしこまりました」





私が動揺している間に、目の前には華やかなドレスが掛けられ、

くじいたら骨折しそうなハイヒールの、素敵なパンプスがどんどん並べられた。





後ろを振り返ると、社長はソファにふんぞり返りながら「早くしろ」と目で言ってくる。






うぅ〜。もう、何なのよ!!何で私がこんな目に合わないといけないわけ!?






腹が立った私は、適当にドレスを選び、試着室のカーテンを思いっきり閉めた。









*33→←*31 ジェネラルマネージャーの考え事。



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (139 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
420人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。