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あ「お呼びでしょうか」






声が震える。100%緊張のせいだ。





唯一の救いである佐藤さんはPC画面に夢中で全くこちらを見てくれない。とほほ。






中「お前、前の会社では経理をやってたんだよな?」

あ「はい、一応......」





........何だろう、今更。


もしかして、前の会社に戻されるのだろうか。





中「じゃあ、数字には強い方だよな?見積書や発注書も書き慣れているだろう?」

あ「.......まぁ、慣れてはいます」




社長がこれから何をしようとしているのか、全くわからない。





中「新企画のプロジェクトがこれから本格的に発足することはお前も知ってるだろう?」

あ「はい」

中「そのプロジェクトに、星野も参加してほしい」

あ「なるほど。.........え?参加?」

中「プロジェクトの正式なメンバーになってもらいたい」




あ「.......は?」





もはや脳のフィルター云々の話どころではない。





私が、そんな大きなプロジェクトの一員に?こんな私が?






中「もちろん、お前の担当は「財務予算・管理」。最高のものを作るために、経理の面からサポートしてほしい」





社長の目は冗談を言っているようには見えない。

とても真摯な瞳だった。





中「そこにいる勝利と一緒に、力を貸してくれないか?」






後ろを振り向くと、いつの間にか佐藤さんがこちらを向いていて、よろしくお願いします、と言った。







あ「.......ぜひ、私にやらせてください」








また声が震えたけれど、これは多分、こみ上げてきた涙を我慢していたせいだと思う。









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作者名:リンゴ | 作成日時:2017年4月19日 18時

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