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菊「かんぱ〜い！」
あ「........乾杯」
カラン、と音を立てるグラス。.......ではなく、湯飲み。ていうかお冷。
菊「カァァァ！やっぱ最高、冷たい水最高！生きてて良かったぁ！」
あ「........」
何を飲んでもこうなるのね。
あーほらほら、また周りの客たちがこっち見てますって。
菊「どうだった？初の企画会議は」
あ「メモ取るのに必死で、正直あんまり覚えてないです」
菊「ま、最初はね、そうなるよね。
俺、かっこよかったでしょ？仕切り役」
あ「仕切りというか、司会進行でしたね」
菊「そう、それそれ。ＭＣ的な。俺まじＭＣ向いてると思う」
この人はほんとに、真面目に言ってるのかいないのか、全然わからない。
菊「今日も中島、絶好調だったね」
あ「はい、さすがでした。その分、スニーカーがやけに目立つというか.....」
菊「スニーカー？」
あ「何でもないです」
もちろん、私だって今日もスニーカーだけど。
社長なんだから、こう、毎日同じスニーカー履かなくてもっていうか。
菊「あいつは家に金かけてるからね。家っていうか、あれか、時間だ」
あ「時間にお金？」
菊「そう。会社までチャリで通いたいっていう理由で、あいつ今、家賃３０万の家住んでんの」
あ「さ、３０万！？」
それって、距離的に考えると、あそこのマンションか、あの有名なマンションか、ってことになるよね。
どんだけ儲かってるんだろう。
菊「バカだよね。一人で暮らしてるっていうのに４部屋も付いてるし。
俺だったら寂しくて耐えらんない」
それよりも社長が自転車に乗っている画が想像できなさすぎて少し笑える。
でも、少し親近感が沸いた気がする。
社長も私と同じで、通勤ラッシュが苦手なんだなって。
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作者名：リンゴ | 作成日時：2017年4月19日 18時
