【歌い手】今宵、狐は過去を話す。 (ページ9)

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「「廉！昇格おめでとう！！！」」

半年が経ち、学校から店に直帰すると、りょーさんや店長がそんなふうに言ってくれた。

昇格ってことは、ボーイからホストになったってこと？

「これからは、ホストとしてこの店で働いてくれ。」

『嘘…けど俺、喋るの苦手だし、

「廉は、ホスト勢からの意地悪を告げ口することもなく、耐え抜いた。仕事に対して愚痴も言わなかった。」

りょーさんは満面の笑みでそんなことを言ってくれる。流石、No.1なだけあるなと思う。

「そうだ、スーツとかの衣装は貸す。」

「あれ～？今日開店おっそいと思ったら、れんれん昇格～？すご～い！！店長～！！今日れんれんと、銀ちゃんつけて～！！！」

常連のお客さんが、回転を待ちきれなかったのか、入ってきたようで昇格を祝ってくれた。指名までしてくれて、常連さんの行動はひと味違うな、なんて。