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潤のかわいい息づかいが響く。
さっき何とか寝かせたんだ。
いっぱい寝てたけど
やっぱ疲れてるだろうから。
むーむーうるさかったけど。
"しょーちゃねにゃいと
じゅーもねにゃいのお！"
舌っ足らずな喋り方に
何度癒されてきたことか…
あ、何か食べないとな。
潤の好きなふわふわパンは
コンビニですぐさま買ったのに
自分の買うのを忘れてた。
でも潤は置いていけないし。
今お腹すいてないし
抜くってのもありだけど
炭水化物とらないと
貧血持ちの俺はすぐ倒れちゃうし(笑)
この貧血っていうのは
母さんから受け継いだ唯一のものだ。
視界がぼやけて立ち上がれなくなって
でも、母さんを感じられる。
毎日毎日、体だけをいたわりながら
生きなきゃいけない母さんを。
俺にとって、大事な瞬間でもあるんだ。
とんとん。
ふっと目線を動かす。
とんとん、とん。
音を立てずにドアに向かう。
インターホン、ないんだな
なんて考えながら覗き穴に手を伸ばす。
あ、大野、くんだ…。
ドアを開けた瞬間
ずかずか上がり込んできた。
ちなみにここまで会話は全くない。
「あ、あ、あの！」
初めて出会った時みたいに
ふわっと振り返る。
そしてにやりと笑う。
あ、笑顔初めて見たかも…。
優しい笑顔だなあ。
「一緒に、食べねえ？」
その手にはなぜだかプッチンプリン。
「翔ちゃん、こうゆーの好きだろ」
確かに好きだけど…。
潤も好きだしよく食べるけど…。
いまいち掴めない大野くんの性格に
小さく苦笑いして、頷く。
大野くんは満足そうにまた笑う。
袋からはプリンが１７個も出てきた。
翔ちゃんの年の数なんて笑いながら。
「ちゃんと食べるんだよ？」
「食べるけど、嬉しいけど！」
まだ何か言おうとした俺の口をふさいで
大野くんは真面目な顔して言った。
「翔ちゃん、細い。潤くんも、細い。駄目だよちゃんと食べなきゃ。お母さんがそんな状況だからこそ翔ちゃんたちが元気にいなきゃ駄目なんだよ。心配してんの。」
俺は目をぱちくりさせる。
大野くんも細いんだけど。
「春休みの間、いっぱい遊ぼうぜ？」
まあ、いっか。
さっきの涙はなかったことにしよう。
そして俺は大きく頷いてみせた。
「じゃ、今日はここに泊まりまーす」
はあ？！と慌てる俺を差し置いて
母さん専用のふかふか布団を
引っ張り出して潤の隣に潜り込む。
空は星の瞬く群青に変わった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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みみ(プロフ) - 磁石真紀さん» あ、まりおねっとの方ですね^^読ませていただいてます！コメントありがとうございました。 (2013年4月1日 21時) (携帯から) (
レス) id: 2546b2daa7 (このIDを非表示/違反報告)
磁石真紀(プロフ) - 面白いです!!次の更新楽しみにまってます(*´∀｀*) (2013年4月1日 14時) (レス) id: c0864cdfbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみ | 作成日時：2013年3月22日 21時
