:３ ページ13
「ちょ、そんな泣くの？！」
やっと離れてくれたイケメン君が
隣で対応に困っている。
お前のせいだからな。
もう思い切り泣いてやる。
眩しい笑顔に気が緩んでしまったんだ。
なんだよ誰にも言わないからって！
お前何者なんだよ！
拭っても拭ってもあふれ出す涙に
半ばやけくそになってしまった。
「翔ちゃん…」
名前を呼ばれ、見上げる。
って、おまえも泣くのね(笑)
病院からも泣き声が聞こえた。
「潤っ」
慌てて立ち上がる。
(一回逆戻りする)
大丈夫？と言うイケメン君を
完全に無視して
よろよろと診察室に向かう。
「目覚めてから泣き出しちゃってな」
「しょーちゃー！」
「おい、お前さんも涙が…って
うちの馬鹿息子もか…(笑)」
お医者さんは豪快に笑う。
男３人、ぼろぼろと涙をこぼしながら。
両手を伸ばしてきた潤を抱きしめる。
なぜかイケメン君がそんな俺らに
ぎゅーっと抱きつく。
「ん、お前等知り合いか？」
「ううん、初対面だよ、親父」
「…！すまんなうちの息子が…」
お医者さんは大きくため息をつく。
彼は相葉雅紀くんというらしい。
顔に似合わない子供のような純真さ。
この人、仲良くなりたい。
ふと、そう考えていた。
「ましゃちゃ、またくりゅねー！」
まだ熱をもっている小さな手を
相葉くんに思い切り振る。
負けないくらい大きく振り返すのが
なんとも彼らしい。
「なんか、ありがとう(笑)」
そんな俺に対しては
「またあおーねー！」
あ、年聞くの忘れたな。
でもこれから先ここの病院に
お世話になるだろうし、いっか。
夜中とは思えないテンションに
苦笑いして、車に走り込む。
「お、お待たせしました！」
智くんのお父さん。
確実に爆睡していたんだろう。
ほっぺにハンドルの柄がついてるし
髭にまで寝癖を発見した。
不思議そうにそれを指差す潤を
慌てて膝の上に寝かせる。
「ん、こりゃすげえわ」
智くんとそっくりなしゃべり方。
ぴょーんとはねた髭を
バックミラーで気にしている。
帽子を取って初めて見えた顔は
年齢不詳、と表現するのがふさわしい。
「あ、お願いします」
「おう」
点滴をしてもらい
穏やかな呼吸に移り変わった潤を
優しく、優しくなでる。
お前がいてくれるから
だから、頑張る気になるんだよ。
ずっと、一緒にいて。
窓の向こう
お洒落なドアの前に
待ってくれてる人がいた。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみ(プロフ) - 磁石真紀さん» あ、まりおねっとの方ですね^^読ませていただいてます！コメントありがとうございました。 (2013年4月1日 21時) (携帯から) (
レス) id: 2546b2daa7 (このIDを非表示/違反報告)
磁石真紀(プロフ) - 面白いです!!次の更新楽しみにまってます(*´∀｀*) (2013年4月1日 14時) (レス) id: c0864cdfbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みみ | 作成日時：2013年3月22日 21時
