レモンと風邪ひき#翔:１ ページ11
「海、楽しかったな^^」
柔らかい髪の毛をわしゃわしゃなでる。
弾かれたようにびくっと起きる潤を
そのまま床におろす。
ひっかかるのは智くんの辛そうな顔。
何か、あるんだろう。
帰りに夜ご飯を買ってきた。
明日からは、智くん家で賄ってもらう。
今まで触れなかったけど
海に突っ込んだせいで服が
２人ともびちょびちょのぱりぱりだ。
一旦お風呂に入り、夕食にした。
「しょーちゃ、いらにゃいの…」
渡した紫のお皿が押し返される。
大好きなポテトサラダだよ？
今日は疲れちゃったのかなあ。
頭を軽くなでて
きつねうどんを代わりに食べさせる。
一応、俺のだったけどね。
ウスターソースがないから
ポテトサラダをそのまま食べる。
…玉ねぎ、かっら！
だから食べなかったのか。
片づけもそこそこにテレビをつけた。
そのまま、眠っていたらしい。
水に入った後ってすごい眠くなる。
テレビには緑色がうつっている。
それをぽけーっと見つめている潤が
だんだんはっきりした視界に映った。
…って、ニュース番組だよ？！
「潤、ごめんごめん、寝ような」
そういって潤の頭をなでる。
一瞬思考がフリーズした。
そのままこてんっと体を倒す潤。
息が、荒い。
熱い。
なんでほったらかしにしたんだろう。
頼れる人が、いないのに。
潤がいなくなったら生きていけない。
小さな体を抱えて外に飛び出した。
「智くん！」
思い切り叫ぶ。
今は１１時を回っている。
近所迷惑だけど、構っていられない。
髪から水を滴らせた智くんが
一階の窓から覗いた。
後ろからお母さんも顔を覗かせる。
「夜間外来の小児科！どこですか！」
頭が回らない。
潤、潤。
それしか考えられない。
ドアから体格のいい男の人が出てきた。
無言で車のドアを開け
乗れ、と顎でしめす。
すみません！と飛び乗った。
俺がしっかりしてなかったから。
いつもの温かさを大幅に越えた
熱い小さな体を抱きしめる。
潤、と呼んでも反応してくれない。
車が止まる。
「ここで、待ってるから」
また、顎をくいっとして
クリーム色の小さな建物をしめす。
『相葉こども病院』
そう書かれたドアを勢いよく開ける。
俺と同じくらいの男の子が
受付でぼーっと携帯をいじっていた。
俺らを見た途端携帯を放り捨てて
長身のお医者さんを連れてきた。
やけに優しい光に包み込まれ
日付が変わる。
ラッキーアイテム
革ベルト
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みみ(プロフ) - 磁石真紀さん» あ、まりおねっとの方ですね^^読ませていただいてます！コメントありがとうございました。 (2013年4月1日 21時) (携帯から) (
レス) id: 2546b2daa7 (このIDを非表示/違反報告)
磁石真紀(プロフ) - 面白いです!!次の更新楽しみにまってます(*´∀｀*) (2013年4月1日 14時) (レス) id: c0864cdfbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみ | 作成日時：2013年3月22日 21時
