【一松】触らせないで ２ ページ12
「最近、なんかあったでしょ」
いつもよりも低い声で言われ、身体が震える。
絶対に一松には言わない。言えない。
なのに一松は、私に何かあったということにもう気付いている。
「え？なにが？何もないよ」
「じゃあなんで顔見ないの」
「…普通に恥ずかしいからだよ、わかんないの？」
「じゃあなんで家入った時も目、合わせてくれないの」
鋭い…。
「俺、なんかした？」
……え？
「なんで…？一松はなにもしてない」
「避けられてる気がしたから」
そうか。
そんな心配をさせちゃったんだ。
…もう、言ってしまおうか。
「あのね…一松、聞いても、嫌わないでほしい」
「は？」
「…この前ね、電車の中で痴漢にあったの」
一週間前。
少し遠くのショッピングセンターに買い物に行ったとき。
満員電車の中で一人、音楽を聴いていた時だった。
電車が揺れて、よろめく。
その瞬間に、誰かに壁際まで押さえつけられた。
そのときは、揺れたせいだろうとでも思っていたんだ。
けど、違うってわかった。
明らかに触られている。
壁に手をついてしまうくらいに、変なところを。
足、太もも、腰。
ゆっくりと動く手に、恐怖でなにもできなかった。
「…黙っててごめんなさい」
一松の表情は読み取れなかった。
怒っているのか、こんなわたしに呆れているのか。
恥ずかしさで涙が出てきそうになった。
「…許さない」
「…っ、え…いちま、つ」
「この足も、」
急に一松の表情が変わった。
乗っかっていた身体が起き上がり、わたしの倒れた体に触れる。
一松なのに、分かっているのに。
こわい。
「太ももも、腰も、全部」
一松の手が
言ったところに優しく触れていく。
その度に身体が過剰に反応し、ぴくんと跳ねる。
自分なのに…気持ち悪い。
「いちま、つ……っ、あ」
「全部俺のだから」
「……ん、ん…」
スカートの中に入っていた手が、抜かれる。
…怖かったのなんて、最初だけ。
「いちまつううううう…」
「なに…」
「ごめんなさい…」
「…別に」
全部俺のだから、なんて。
わたしにはもったいないよ。
「けどもう…ほかの男に触らせないで」
怒ったように言った一松に、なぜか嬉しさを感じた。
うん、って言って抱き着いたら、抱きしめ返してくれた。
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ミウ - 票数が555から556にしてしまった罪悪感… (2017年10月6日 23時) (
レス) id: effbfbbcb9 (このIDを非表示/違反報告)
ドS娘 - 票数がちょうど555に！？これは押していいのだろうか… (2017年9月17日 19時) (レス) id: 6ee4aa7b4e (このIDを非表示/違反報告)
蓮城桜 - トッティ少ない(´・ω・`) (2017年6月27日 15時) (レス) id: bfea0b4b67 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - めっちゃ好きです！ありがとうございます（≧∇≦） (2016年8月29日 16時) (レス) id: 3da383dd6e (このIDを非表示/違反報告)
なごみ羊 - こーゆーのもいいですね♪ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 6171f694b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年11月5日 0時
