【一松】あのさ、 ページ2
「なんで飽きないわけ」
いつも通り朝早く起きてジョギングをし、公園のベンチに座る。
その横には、猫を抱えた一松が座っている。
なんら変わらない光景。
飽きないわけ、ってなんのこと？
そう聞こうとして、やめた。
たぶん、毎日早起きしてジョギングしたりすることに対してだろう。
「好きでやってるからね」
「…理解できない」
「一松には一生理解できないと思うよ」
わたしと一松が出会ったのは、ほんの数週間前のこと。
雨の日のことだった。
公園の周りを走っていたら、路地裏に入っていく一松を見つけた。
しかも、何かを抱えたようにして、ずぶ濡れで。
放っておけなくて後をついていき、そこで見たんだ。
雨をしのぐようにして、猫を守る一松を。
優しいんだな、と思ったら自然に体が動いてて。
『その猫連れて、うちに来ません？暖かいもの、飲ませたほうがいい』
ほんと、ハタから見たら不審者だよね。
「一松ってほんと、社会不適合者だよね」
「別にそれでもいいし」
「将来やってけないよ、ねー、にゃんちゃん」
「ちょっと…」
小バカにするようにして一松の膝の上に乗っている猫を抱く。
ｺﾞﾛｺﾞﾛと喉を鳴らし気持ちよさそうにする猫は本当にかわいい。
癒される。
「あのさ、」
「んー？」
声をかけられ、猫のほうを見たまま軽い返事をする。
一松から声をかけるとは珍しい、なんて思いながら。
「俺がもし家追い出されて１人になったら、養ってよ」
急な発言に、ぐうの音も出なかった。
猫の頭をなでる手を止め、一松の顔を見る。
少しだけ口角が上がって、ﾆﾔﾘとする一松。
「なんでわたしがあんたなんかの面倒を」
「じゃあなんで、あのとき家まで連れてってくれたワケ？」
「あ、あれは…猫だよ！猫が可哀想で…」
いや、でも…
別にいいかも、って思ってしまった自分もいた。
冗談だよ、って言ってわたしから猫を奪い取る一松。
猫に対する小さな笑顔は、可愛く見えた。
「…なんだよ、ばか一松」
養うのも、あんたならいいかも、なんて。
「…そろそろ時間じゃないの」
「あ、そうだった」
「ん。…じゃあまたね」
「うん、また明日ね」
仕事の準備があるから帰らないといけない。
その時間まで把握されてるし…
そしてまた明日、一松と会って話すんだろうなぁ。
もしも、だけど
考えとこう。
なんて思った。
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ミウ - 票数が555から556にしてしまった罪悪感… (2017年10月6日 23時) (
レス) id: effbfbbcb9 (このIDを非表示/違反報告)
ドS娘 - 票数がちょうど555に！？これは押していいのだろうか… (2017年9月17日 19時) (レス) id: 6ee4aa7b4e (このIDを非表示/違反報告)
蓮城桜 - トッティ少ない(´・ω・`) (2017年6月27日 15時) (レス) id: bfea0b4b67 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - めっちゃ好きです！ありがとうございます（≧∇≦） (2016年8月29日 16時) (レス) id: 3da383dd6e (このIDを非表示/違反報告)
なごみ羊 - こーゆーのもいいですね♪ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 6171f694b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年11月5日 0時
