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アーティストって仕事にはならない。
ライブやっても
人はほとんど足を止めてくれない。
動画配信しても
ヒット数は増えやしない。
この間のホソガってひとみたいな
コアなファンがいてくれても
それはそれで勿論うれしいけど
仕事にはならない。
バンド仲間「いいじゃんか。一人でも固定ファンがいれば。」
それじゃ食っていけないんだよ。
サナ「なんか足りないんだよな・・・。」
うちらのバンドの音楽は
ギトギトのスラッシュメタル、スピードメタルの曲と
アタシのアコギがベースのバラードがある。
作詞や編曲は
アタシも関わっている。
でも
何かが
アタシらの音楽には足りなかった。
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サナ「いらっしゃい。」
バーのバイト先。
アタシはみてくれが思い切りバンギャだから
店長は髪が見えないように結んで帽子かぶれとかいう次第。
常連客「サナちゃん、いつものやつがいいな。」
サナ「はいはい。ソーダね。」
ここはバーなのに
ソフトドリンクばっか頼んでくる
いかにもチャラ男でイケメンの常連客くん。
ここにはアタシとしゃべりに来てる感じだな。
名前もきいてない。
年は同じくらいか下に見えるけど
学生なのか
なんなのかも知らない。
きく必要ないからね。
いや。
前聞いたけど
--------忘れた。
アタシの他人に対する興味なんて
その程度。
常連客「今日かわいいね♡
サナちゃん！」
サナ「うっせぇ。」
常連客「おー、こえ(笑)
なんだよー、かわいげないなぁ。」
アタシに「かわいさ」求める時点で
間違ってる。
悪趣味だ。
常連客「そういや、今度の新曲？
きいたよ？」
サナ「！
マジ？
どう？」
チャラ男はうーんって首をかしげた。
常連客「いい！んだけど・・
なんか
感じるの
『怒り』だけなんだよね？」
----------「怒り」。
常連客「音楽ってさ
ガンガンの怒りだけじゃなくてさ？
毒みたいな『甘さ』も必要なんじゃね？」
毒？
なのに
あまい・・・？
チャラ男は妙な事を言った。
常連客「サナちゃん
恋でもしてみたら？」
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作者名：life | 作成日時：2017年12月2日 14時
