生き残らなければ------あなたが一人のわけ2 (ページ32)

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自責ページ32

大事なキーホルダー。
汚れちゃってる。

それもそのはず。

日々研究が忙しくて、
家には寝に帰ってくるだけの生活。

---------洗ってあげられなかった。。。。

A「ごめんね。。。」

わたしはライオンをなでて、
もとの位置に置いた。

A「今夜帰ってきたら、洗ってあげるね。」

このライオンはわたしが５歳の時に亡くなったおばあちゃんの形見。

お父さんもお母さんも共働きだったので、
わたしは幼少期このおばあちゃんに育てられた。

わたしの家は代々続く医者の家庭だった。
特にわたしのおじいさんは有名な腕のいい医者だったらしく、
故郷では有名だった。
お父さんまで医者を継いだけど、わたしは大学受験に失敗。--------

医学部には行けず、歯学部に進んだ。

医者になりきれなかったわたしは自分を責めた。
なぜなら
おばあちゃんが亡くなったときに
葬儀の合間で言われたお母さんの言葉が
ずっと心に突き刺さっていたから。

『A、あなたはおじいちゃんの生まれ変わりだよ。女の子だけど、必ず医者になって、おばあちゃんを喜ばせてあげるのよ。』

わたしが生まれたとき、おじいさんは既になくなっており、
わたしはおじいさんの事を周りの人の話でしか知らない。

有名な医者だったおじいさんに顔が似ていたわたしをおばあちゃんは
おじいさんの生まれ変わりとしても
大切に育ててくれた。

動物が好きだったわたしを、おばあちゃんはよく動物園に連れて行ってくれた。

そこで、このライオンのキーホルダーを買ってくれたのだ。-------

このキーホルダーを見るたびに
おばあちゃんへの思いと

自責の念がわいてきて。。。。

日常がつらくて仕方がないわたしは
きっと
いつも
どこか物悲しい雰囲気を醸し出しているのだろう。

それが、余計に
わたしを孤独にさせているのかもしれない。

だけど、幼少期の傷は

---------そう簡単には消えない。

わたしの痛みをわかってくれていたのは、
多分

テテだけだったと思う------。