Virginal 4 (ページ4)

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大切な存在ページ4

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聞き間違いかと思ったけど

ひ「………」

佐藤さんを見ると、答えを待つように

私をじっと見つめてくる

『あ、の……』

何か言わないと、と思うけど

どんどん真っ白になって

うまく言葉が出ない

翔太くんが長い時間かけて

説得してくれたんじゃ……

ひ「翔太は我が社にとって、

いえ私にとっても大切な存在です

あなたの存在はこれからの仕事にも

影響がでるでしょう。

翔太の夢をここで潰すわけには

いかないんです。

本人に言っても聞かないから、

直接お話しようと思いまして」

強い視線に耐えられなくなり俯いた

佐藤さんの言っていることは最もだ

翔太くんのこれからを考えたら

私の存在は邪魔以外の何者でもない。

やっぱり、私達は…

目の前が滲んで見えてきた時

握りしめていた自分の左手が目に入った

翔太くんがくれた指輪が

キラキラと光っている

まるで、励ましてくれてるみたいに

そうだ

私は

顔を上げて、佐藤さんの目を見つめ

『お断りします』

ひ「え？」

驚いたように目が見開かれた

『佐藤社長のおっしゃる事は最もです。

私の存在は、翔太くんにとって

障害になるのかもしれません。

それは理解しています。

それでも、翔太くんは私と一緒にいる事を

選んでくれました。

守ると言ってくれました。

だから、私も彼を側で

支えていきたいんです。

ここで私だけが諦めるわけには

いかないんです。』

ひ「………」

『………』

震える手を握りしめて

精一杯伝えると

ひ「ぷ……あははは」

『え？…』

突然笑いだした佐藤さんを

訳がわからずキョトンと見つめると

ひ「ごめんなさい。

ちょっと試させてもらいました」

『え？』

佐「翔太だって人間ですからね

いつか結婚だってすると思ってました。

こんなに早いとは思ってなかったけど笑」

ひ「これから先、少なからず

仕事に支障はでるでしょう

そんな時は私達もサポートしますけど

翔太の心を支えるのは如月さんですからね

ちょっとやそっとでダメになるようなら

私達だって守る価値はありません。

でもさっきので、如月さんと翔太なら

大丈夫だと思えました」

先ほどとは違い、

柔らかい笑顔を浮かべる佐藤さん

ひ「私にとって翔太は、

弟みたいな息子みたいな存在なんです笑

これからも翔太をよろしくお願いします」

『……っ、はい！』