今日からマ王! 妄想小説倉庫 (*ﾟ▽ﾟ)ﾉ<よん (ページ9)

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本日はアニシナ日和です。せかんど!　１　all　ページ9

昼下がりの血盟城。
恐ろしい名前の城の中は、今日も穏やかに皆が働いていた。
今は地球で言う、「三時のおやつの時間」。
優雅にティータイムを楽しむのは、
三兄弟の長男と三男、三兄弟の母である上王陛下の三人だ。

「ん～、今日のお茶菓子も美味しいわ～」
「エーフェがまた腕を上げたのでしょう」
「んまぁ、料理が上手な女性は殿方に良く好かれてよ。あたくしが素敵な殿方を紹介してあげようかしら。」
「母上、城のメイドにまで男の紹介をして回るのはお止め下さい!」
「いーじゃない。でもまぁ、貴方には愛らしい婚約者がいるから問題ないわね」
「当然です!ユーリは尻軽で浮気者なので、早く式を挙げてしまいたいのですが･･･」
「無理を言うな」
「ま!グウェンったら面白くない子ねぇ～･･」
「面白くなくていいでしょう･･･」

目を伏せてティーカップを口に運ぶ。
その長男の姿を母はつまらなそうに眺めていた。
すると城の廊下を駆けずり回る、眞魔国一の美形とも呼ばれた
フォンクライスト卿ギュンターが息せき切って現れた。

「あまり城を駆け回るな。子供じゃないんだから」
「そーだぞギュンター!!お前はもう若くないんだから、後々体に響くぞ!!」
「失礼な!!」

鼻でフンフンと馬のように息をするギュンターは
本を片手で抱え、何故持っているのか分からないものさしをブンブンと振っていた。

「この時間は、陛下の勉強時間ではなかったのか？」
「そうなのですよグウェンダル!!」
「あら、また愛の空回りで陛下に逃げられちゃったの？」
「し、失礼ですったら!!」
「じゃあどうしたんだ」

「昼過ぎから、陛下の姿を誰も目撃していないようなのです!!」
「あぁ、そういえば見ていないな」
「私もよ～」
「僕も見ていない･･」
「貴方がたどころか、城の兵士すら目撃していないようなのです･･･」
「気晴らしに城下にでも行ったのではないのか？」
「いえ、貴方もご存知の通り、ヨザックは国外に飛んでおりますし、コンラートも先ほど見かけました。」
「一人で逃げた可能性もあるだろう」
「陛下はそんな悪い子ではありません!!」
「お前の授業を抜け出している時点で、悪い子じゃないとは言い切れんがな･･」

キーと悔しそうに唸るギュンターから視線をはずし、花壇の方を見ると
見慣れた緑色の髪がゆらりと揺れていた。
養父とは(基本的)正反対の、落ち着いた女性。