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本日はアニシナ日和です。せかんど! 7 ページ15

キャッキャしながら前を歩くユーリと好かれた大人3人は
ユーリの可愛らしい歌にあわせながら、足並みそろえて廊下を歩く。
しかし、ほぼ完全に嫌われたヴォルフラムとギュンターは不吉なオーラを漂わせながら、どんよりと後ろを付いていくばかり。
悪く言えば、背後霊のようだ。

血盟城の門近くになると、グウェンダルが列から抜け
門の前に並ぶ馬の方に進んでいった。


「あれ、グウェン。これからどこか行くのか?」
「あぁ、ヴォルテール城に用があってな。」
「ぐえんいっちゃうのぉー?」
「・・日暮れには戻る。それまでちゃんとコンラートやグリエの言う事を聞いているんだぞ。」
「うん!ぐえん、いってらっしゃいー」


グウェンダルに頭を撫でられると、笑顔で頷き
そのまま馬でヴォルテール城に向かう後姿を見送った。
ユーリが手を振っていると、馬小屋の中から突撃するように光った物体が走ってきた。


「かかかかか、閣下ぁぁあああ〜!!!!」
「・・ダカスコス?んな、今日も貴方の頭は眩しいですね・・。そろそろ発毛の薬をアニシナに作ってもらっては・・」
「これは好きでやってるんですよぅ!ギュンター閣下ぁ!!」


ビービーと嘆くように叫ぶのは、ギュンター直属の部下であるダカスコス。
目を充血させながら肩で息をする様子は、きっと何か重大な事を告げたかったのだろう。
気を利かせたコンラートが口角を上げながらひっそりと呟くように言った。


「その様子だと、何かとんでもない事が起きそうなのか?ダカスコス」
「はははははい!!そうでありました!!」
「・・何かありました?」
「ギュンター閣下!!今すぐお逃げ下さい!!」
「は?」


真っ赤な目に涙をためながら、グイグイと上司の背中を押す。
押されている側はきょとん・・・というより、少々迷惑そうな表情を浮かべている。


「ああああああ赤い悪魔が!!ギュンター閣下をお探しでした!!!もにたあが、って!!!」
「んなななななな何ですとぉぉおお?!」


ユーリの無事を確認したアニシナはあの後すぐ実験室に戻って行ってしまった。
『ロクなことが起こらないんだろうな』と薄々感づいていたグウェンダルは、完全なる勝ち組。
そうとも気が付かなかったギュンターはダカスコスとともに血相を変え、ダラダラと脂汗だか冷や汗だかよく分からない汗を流し始めた。


「だから早く逃げてください!!」
「わ、分かりました・・・」

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作者名: | 作成日時:2012年5月22日 22時

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