来世はたぶん出会わない (ページ6)

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そのとき急に、
ろーんじゅなぁーああー！って、騒がしい教室に響く声。

この声。他クラスでこんな大声を張り上げても、
お咎めながないのはこの人ぐらい。

教卓の前を堂々歩いてこっちに向かってやって来る。
うるせー、来んなよー他クラスのくせにーって、ロンジュンが面倒くさそうに言った。

「来るに決まってんじゃん。俺がお前のこと好きなのに？」
「俺は嫌い」
「だから好きなんだよ。あれ？」

目を合わせないようにしてたけど、イドンヒョクは私とロンジュンの机の間に立って、
私の視界に入るように、私の机をコンコンって叩いた。

顔を上げると、イドンヒョクが私とロンジュンの顔を交互に見て、
私の机の上に乗ったロンジュンの腕とか、近付いた椅子の背もたれをまじまじ見た。

「ふーん、お前らって、へー」
「何しに来たんだよ、さっさと帰れよ」

ロンジュンが目を細めて言った。
思えば2人は友達だった。これまでも私の前の席で、こうしていたのを聴き逃していたんだと思う。盲点。

「ごめんロンジュン、今日はこっちに用がある。Aや」

思わずさっと顔を上げる。

「昨日まともに授業しなかったから、今日宿題を課す。数IIのワークの基礎問題を、範囲分全部解いてくること」

「…なに急に…」

「お前が勉強してくれないと、俺も自分の腕を証明できないもん」
「腕？」
「最初ドヨンさんで想定してたくらいに成績が上がれば、俺を家庭教師として正式に雇う約束じゃん。中間テストは目の前だぞ」

約束なんてしてない。

でも正直、テヨンに嘘をついたってことは、この人の話に乗ったと同然なのかもしれない。
言いくるめられた。私は反論できなかった。

大きく開いた両目で、ロンジュンが私の顔を見ている。

「…何」
「お前…」
「俺とAが喋ってることがそんなに面白いか」

イドンヒョクがそう言ったら、ロンジュンはそっちを一度パッと見て、パッと笑った。

「だってA、お前さっき、こんな奴とは一生喋んないって」
「はぁー言ってくれるなマジで」

イドンヒョクは私から目を逸らしてヘッ、って鼻で笑う。
体の向きをくねくね小さく変えながら、

「てかさ、ロンジュン、こいつがテヨンイヒョンの妹だって知ってた？」

わざとらしく制服のポケットに両手を突っ込んでる。

「それが何？」
「こいつがNCITに入学したら見世物だよ。テヨンイヒョンが飲み会の誘い断ってまで迎えに行くエギヤちゃん」
「テヨンの悪口言わないで」
「お前の話をしてんだバカ」