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「ロンジュニが？」
「ロンジュニが…」
「はは…あれで『マジで好き』だったら、クラスの男子全員私に片思いしてるよ…」
鼻から長いため息が出た。
ロンジュンも私に同じようなこと聞いてきた。
私とあんた達の間に何があるって勘違いしてるの。
「A」
「ん？」
「俺マジでお前のこと全然分かんないよ」
「私もー。実際、なんで私の事誘うの？最初から他に当てがあったなら、私の事誘わないでよ」
「無いよ。次からこの代行は一人でやる」
「分け前なんていらないから手伝ってもいいって人はいる」
「誰それ。紹介して？」
「今2人から告白されてるんじゃなかった？」
イドンヒョクは無言で、ゲーム内のショップを覗いて、何やら買い込んでいる。
「よく覚えてたな…そんな話」
イドンヒョクを好きになるくらいだから、イドンヒョクに利用されても怒らなそう。とかいう偏見。
ついこの前家庭教師の時に、スマホの電源は基本切ってるんだって言ってた。着信が結構しつこいこともあるからって。
「Aと付き合ってるって言ってもいい？」
「え？…急に何の話…」
「その子たちの告白を断る口実にするから」
「はあ…何回も言わせないでよ…私を巻き込まないで」
「この装備全部お前にあげる」
「…えっ」
咄嗟にイドンヒョクの画面を見た。
なんかさっきよりもまたゴツくなってる銃。かっこいい。
「今オプション付けたから超強いよ。さっき苦戦してたステージもクリアできると思う」
「ほんと？おいくら…？」
「金なんていらない。友達じゃん」
友達とは。
「口裏合わせてなんて言わない。俺が勝手にAの名前借りるだけ。好条件でしょ？」
「はあ…その話には乗らずに装備だけ貰える取引は無いの？」
「お前のプライドの高さは分かってるよ。でもこの装備がもう今は販売されてない期間限定物だって言ったら、割に合うでしょ」
装備をまじまじ眺めてたのに、イドンヒョクはパソコンの電源を切った。
「あっ」
「乗るの。乗らないの」
イドンヒョクが私を見て、私も背もたれに乗っかってその目を見た。
「乗らない」
「…まだ条件上乗せする？」
「ゲームの装備くらい自分で手に入れるからいらない。何が条件でもその話には乗らないし」
「……はー…」
だよねー、って言いながらイドンヒョクは立ち上がった。
「A帰るぞ」
「デイリー私のノルマ終わってないよ」
「俺がそっちの分もやっといた。ほら帰ろう。交渉は決裂した」
イドンヒョクの腕が横から伸びてきて、私のPCの電源を切った。
はあーって項垂れて、しぶしぶ自分のカバンを掴む。
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作者名：ユン | 作成日時：2021年9月28日 14時
