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水曜の授業終わりに、
テヨンから長文メッセージの通知が届いたのを、たまたま前の席のロンジュンが見た。
「A、『彼氏』からメッセージ来てるよ。いや長っ」
勝手に覗き込んで口を開けてる。
今日の放課後までだった課題を必死に書きながら、ロンジュンに適当な相槌を返した。
「重くね」
「もうすぐで誕生日だから」
「え？お前？」
「うん。そんな内容でしょ」
「俺が読んでいい？」
ロンジュンは私のスマホを持って、テヨンのメッセージを読み上げた。
「…ねぇテヨンイヒョンって、いつもどんなプレゼントくれんの？」
「普通のオッパらしいプレゼントだよ。香水とか」
「うわ…高そう」
勝手に私たちのトーク画面スクロールして眺めてる。
「実はテヨンの誕生日が私と一週間違いなの」
「へー、そうなんだ」
「予算3万ウォンでまともなプレゼント買えるかな？」
「…香水の…テスター？」
「問題はその一週間後がオンマの誕生日で、またその一週間後がいとこのオンニの誕生日で…」
「変な家族だな…」
「一番の問題は、このタイミングで怪しいアルバイトに誘われてることなの…」
「怪しいバイトってあれ？」
「あれ？」
ロンジュンの指さす方を振り返ったら、
丁度教室に入ってきたイドンヒョクが、やあ生徒よ、って声をかけてきたところだった。
「席埋まるから早く行かないと、A」
「デート？それとも援助交際？」
その顔を見上げるロンジュンに、バカ、って吐き捨ててるイドンヒョク。
「どっちかと言うと後者だ」
「後者かよ」
「『地平線』のログイン代行アルバイト誘った。今募集してんの。あ、ロンジュニ今から塾じゃん？お前のも受け付けるよ。特別価格で1週間5千ウォン」
「はは、俺はいいや。ログインに必死にならなくてもめちゃくちゃ強いの、俺のキャラ」
イドンヒョクと顔を見合せた。
「私ちょっと職員室行ってくる。その間にこの人からIDとパスワードと5千ウォン奪っておいて」
「OK」
イドンヒョクが立てた親指。
課題の冊子を閉じて立ち上がる。ロンジュンは不満げ。
「ドンヒョギと一緒になって金稼ぎ？Aいつからそんなに金の亡者になったのさ」
「人は追い込まれると何でもするのよ」
「俺の5千ウォンが何になるんだよー」
カツアゲされたの人生初なんだけど、ってぼそぼそ言いながら財布を取り出すロンジュンに笑った。
「人のプレゼントにそこまでするAも偉いよ」
「私の誕生日もうすぐだし、ロンジュンも見習って」
「ドンヒョギ、この子にいいもん買ってやれよ」
ロンジュンはお札を持った手で、イドンヒョクの肩を叩いた。
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作者名：ユン | 作成日時：2021年9月28日 14時
