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イジェノとジェミン君もまさしく、隙の無い間柄のふたりだ。
仲良しの2人を見送って品出しを全部終えると、
おばさんがご褒美に瓶ジュースを2本くれた。
私と当然イジェノの分だなって考えながら、2本とも鞄に入れて、予鈴間近の教室に向かう。
自分の机の上に乗っていたのは、体育祭の出場科目が書かれたエントリーシート。
ソフトボールの欄の1番上に、ロンジュンの字で私の名前。
メンバー候補として即決してるんじゃないよ。
プリントの右上に付箋が貼られてあった。
ロンジュンの字で、『エース イ A 試合に勝ったら オッパがご褒美を買ってやるぞ〜ファイティン！』って。
前の席のロンジュンは、背中を曲げて、
窓の外の方に顔を向けて、すやすや居眠りしてる。
窓の前に教科書を立てかけて、目にかかる日光を遮ってあげた。
こんな気持ち悪いメッセージ残す奴だっけ？ロンジュンって。
六限から放課後にかけて、早くも体育祭競技の練習があった。
運動靴に履き替えてストレッチをしてると、旧校舎の出口からぞろぞろジャージの人達が出て来るのを見た。
「ロンジュナ」
「んっ？あーA」
昇降口から丁度出てきたロンジュンを呼び止める。
「理系も一緒に練習するの？」
「んー、そうそう」
「理系にだけは負けちゃダメよロンジュン」
確かこの子は小中と嗜んでいたサッカーに出場するはず。
「無理だよ俺補欠だもん」
「昔イドンヒョクと同じチームだったんでしょ」
「そのチームでも補欠だったってば。サッカーは上手くなかった」
「じゃあ何で中3まで続けたの」
「ドンヒョクが、お前がいないと俺もやらないってうるさくて」
肩をぐーっと伸ばすストレッチ。
ロンジュンがそれを真似し始めた。
「実際俺が辞めても続けただろうけど」
「イドンヒョクってあんたのこと好きすぎじゃない？」
ロンジュンが私の顔を見て、少し口角を上げる。
「ジェノもサッカーなんだよ」
「じゃあジェミン君も？」
「うん」
「運動できそうな人達が固まってるね…バスケにでも移ればいいのに」
「バスケは文系クラスの激戦区だよ」
要は、ってロンジュンは言葉を強調する。
「うちのクラスの勝利はお前の肩にかかってる」
「遠くに投げることしか出来ないのに…変に期待しないでよ」
「外野の一番端っこに居ればいい」
「私の投げたボールをキャッチ出来る子いるかな？」
「あー確かに」
盲点盲点、って言いながらロンジュンが歩き出して、サッカーチームに合流しに行く。
イジェノ、サッカーなんだ。じゃあ今がチャンスだ。
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作者名：ユン | 作成日時：2021年9月28日 14時
