18 ページ18
家庭教師がうちに来る日曜日、
普段通りほぼ約束の時間にインターホンが鳴って、
ソファから立ち上がってドアを開けに行った。
でも扉を開けた先に居たのは、イドンヒョクじゃなかった。
「やあA」
「テヨン？どうしてここに？」
鞄を肩から提げて、にこにこしてるテヨンが私に小さく手を振る。
「オッパが〜最近会いたかったって言ってるじゃん〜」
「そ…そのためだけに帰省？」
「一応、研究の資料のために寄るとこがあって」
「そうなんだ…あ、上がって上がって」
そういえばそろそろ本当にイドンヒョクが来る。
鉢合わせたらまずい。急いで連絡を取らないと。
テヨンは玄関に入ってくる前に、自分の背後をちらっと確認した。
その時テヨンの右肩の後ろから、ひょこってイドンヒョクの顔が出てきた。
あっ。
「テヨンイひょーん俺もお邪魔しますねー」
「あーマジで、いつまで付いてくるんだよー」
「たまたまここ通りかかったんだし、テヨンイヒョンと久しぶりに喋りたいんだよう〜」
唇をとがらせて体にくっつきながら、テヨンに甘えてるイドンヒョク。
…どうやらうまく誤魔化してるらしい。
「A、ドンヒョクと同級生だろ？喋ったことある？」
テヨンは靴を脱ぎながら自分の後ろを指さした。
「あー…まあ、知り合いみたいな感じ…」
「Aもお前も受験生だし、早めに帰んないとダメだよ」
後ろのイドンヒョクの肩を叩いてる。
ひょんありがとう〜って、イドンヒョクの全力ぶりっこを目の当たりにしてる今。
「あ…テヨン、今日は泊まるの？オンマたちに早く帰って来れるように電話しようか」
「んーん、いいの、お店大変だし。Aの顔みて少し休んだら帰るつもりだったから」
「じゃあ…珈琲入れるね」
「大丈夫、Aにもう買ってきたの」
テヨンはソファに座ってから、手に持っていた紙袋をテーブルに置くと、
中から行きつけの店のアメリカーノを取り出した。
「Aにはちょっと甘いやつね」
「ありがとう」
ストローを差して渡してくれたのをちゅーって飲む。
イドンヒョクはテヨンのすぐ隣に座った。
「ヒョンぼくには？」
「会うと思ってなかったから無いよ」
「1個余ってるじゃん〜」
「これはAの2杯目だもん」
「エーッ何それ」
2人の会話を聞き流しながら、頭の中で思い巡らせるのはドヨンさんの話。
「あのさテヨン」
「んー？」
「ドヨンさんの事なんだけどさー…」
なるべく適切な言葉を探す。
「私…なんて言うか誤解してたみたい…」
「誤解？ドヨンを？」
「うん…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「NCT」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユン | 作成日時：2021年9月28日 14時
