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とことん話の主導権を持っていきたがる人だ。油断ならない。
小さく溜息をつきながら、イドンヒョクは斜め上を見つめた。
「別に特別な関係じゃない。NCITのサークルイベントの手伝いに何度か行ったことがあって、母校同じだし、普通に仲良くなった」
「テヨンがドヨンさんに怒ってるのは何で？テヨンは何も知らないんでしょ」
「そんなこと俺だって知らないよ。お前無意識のうちに、テヨンさんに何か言ったんだよ」
心当たりは？って聞かれてちょっと悩む。
「…前は私もドヨンさんのこと誤解してたし…付き合い方考えた方が…とかなら言ったかも」
「ハアっどう考えてもそれじゃん！」
あーマジで呆れた！って声を上げてる。
「シスター・コンプレックスを無意識に振りかざすなよ、それめちゃくちゃ凶器なんだから」
「もしかしてまたテヨンの悪口を言ってるのね」
「…あー、もういい、もう勝手に言え」
「ドヨンさんは？ドヨンさんには何の恨みがあるの？」
「ドヨンイヒョンもさっき言ったみたいにただ…」
「テヨンに説明しても誤解が上手く解けなかったらどうしよう…テヨンは単細胞のイドンヒョクと違って思慮深いの」
腑に落ちないのを考え込んでたら、
イドンヒョクはすたすた教室の扉に近付いて、ロンジュナ！って叫んだ。
「さっさとこいつ持ち帰れ！さっさと！」
窓際の席で固まって座ってた一行がこっちを向く。
なんだよーって面倒そうに声を上げるロンジュン。
「兄妹コンプレックスにはこれ以上付き合ってらんないわ、ロンジュン、この空気読めないバカはお前がどうにかしろ」
「ドンヒョク、現代文の先生に目付けられたからって女の子に八つ当たりすんなよー」
そうだそうだーって言ってるジェノ君とその友達…ジェミンって呼ばれてたかな。
イドンヒョクは私の方に振り返って、私の顔を指さす。
「言っとくけど家庭教師は絶対辞めない。今の時点でテヨンお兄様に嘘をついてるお前も後戻りはできないし」
「…卑怯すぎる」
「お前が俺の事どんなに嫌いでもいいから、兄妹間のことは俺に共有すんな、昔から変な兄妹だよ、マジでおかしくなりそう」
Aー、って私を呼ぶロンジュン。
「話済んだならもう教室戻ってなよ」
話はまだ済んでない。
「…家庭教師を辞めさせるために来たのに…」
「他に家庭教師してくれる奴もいないのに？ドヨンさんは1年契約だから俺が辞めてもお前の家庭教師にはならないよ。そもそもテヨンさんに言えんの？」
「…根気腐ってる…？」
「当然俺が最低なだけだよ。お前は？ドヨンさんに特別な感情でもある？」
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作者名：ユン | 作成日時：2021年9月28日 14時
