・ ページ23
なんか変なスイッチを入れてしまった気がする。
「就職しても土日は色んなとこ出歩こうって話してたのに、2日まるまる寝てばっかでまともに旅行も行けたことないし」
「…それは疲れてたから」
「高校の友達と頻繁に会って飲んでたからだろ？誕生日1回くらい開けてよって言ってもいつも友達優先で」
「色々都合があって」
「結局、怠惰すぎるんだよ、だから倦怠期みたいになった」
なんか一方的に怒られていて、解せない。
「じゃあネックレス分のお金返したら許してくれる？」
「そんなものでは許せない」
首を横に振ってる。
深夜のスーパーのもやし売り場の前で、意味の無い議論が展開されている。
「そもそも俺の事どう思ってた？」
「…どうって？」
「これ、マジで別れる前に聞かなきゃと思ってた。俺に対する感情がおかしいのか、お前の中で彼氏の概念がどうかしてるのか」
「…普通にディスってるよね今？」
「最初からディスってるよ」
そりゃあ、普通に、彼氏と思ってたよ、って呟く。
「普通、大雨の中傘も持たせず彼氏の事追い出す？」
…嫌な思い出が蘇りそうな予感。
「お母さんが今から急に来るからって、今にも寝る準備してたのに、俺の事パジャマのまま寒い秋夜の外へ放り出して」
「…だからそれは謝ったじゃん…」
「謝った？何言うんだよ？俺あの後風邪ひいて、次の朝鼻鳴らしながら学校行ったら、あんた大笑いしてたよな？」
ん？
って、くすりとも笑わずこっちを見てる。
まあ笑い事じゃないか。そうだよね。
「まあ、ごめん。それは悪かったよ。今謝る」
「あと1度喧嘩になると、腹いせにえげつない仕返ししてきてたの、反省してる？」
「…仕返しなんてしてたっけ？」
「生理が来なくて産婦人科行ったら妊娠してたから責任取ってとか」
…はあ。
ちょっと言葉を失う。
「急にいつもの倍食べ始めたり頻繁にお腹さすってみたりして、俺の事騙してたよね？俺本気にして、育休ってどう申請すんのか上司に1回聞いてるからね？マジで」
「…だから…ごめんって…」
「謝って済む？ネタバレの時も大笑いしてたし。冬の雪はお腹の子に悪いからとか言って、俺に会社まで送り迎えさせてた時どんな気持ちだった？」
ごめん、ごめん、をとりあえずぶつぶつ繰り返した。
「原因になった喧嘩の内容も…夜中Aが寝てる時にドア開く音がうるさすぎたとか、その程度だし……それもそもそも、Aが飲み過ぎて吐くから俺に薬買いに行かせたのが原因だし…」
「…よく覚えてるね」
「俺の黒歴史誰にも言わない約束で教えたのに、次の日の朝ゼミの奴全員知ってたし…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユン | 作成日時：2023年3月11日 21時
