蛙少年の異世界生活

『蛙が五匹』 ページ6

ポートマフィアビルにある執務室で、新しき最年少幹部フランは暇を持て余していた。

遣るべき書類も終わり、今日は任務も入っていない。

信用できない人間と一緒の空間に居る事を嫌うフランは、普段から部下を下げさせているため無駄に広い執務室でぼんやりする位しかやることがないのだ。


「はー暇ですねー、他の幹部の部屋に行くにも中也さんは出張ですしー」


幹部着任からお世話になっている幹部仲間の中原中也は、西方の抗争の鎮圧に当たっていて本部を留守にしており。

同じく幹部着任から交友のある尾崎紅葉も、六ヶ月前に入ってきた少女の教育で忙しいらしく、近頃は見かけていない。

自分の交友関係の狭さを実感するフランだった。


「、、、、脱走するか」


一つの結論に辿り着いたフランは、机の引き出しからメモ用紙を取り出し「お出掛けしてきますー」と簡潔に書くと、幻術で気配を消し本部を後にした。

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