蛙少年の異世界生活

『蛙が一匹』ー序章ー ページ1

「わーびっくりですー、まさか師匠と同じイタい人になるとは思いませんでしたー。」

元VONGORE独立暗殺部隊VARIA霧の幹部フランは、十歳前後まで幼児化している自分の身体を見てそう言った。
フランの言う師匠とは、同じ幻術師でありVONGORE X世霧の守護者である六道骸を示す。
六道輪廻を廻ったと公言する骸の弟子だからこそ、フランは自分の置かれている状況を冷静に理解できた。
フランは異世界に転生したのだ。


「それにしても、真逆母親がマフィアだとは思いませんでしたー。」

今世のフランは伊太利亜と仏蘭西の混血で一般人である父とポートマフィアに所属する母から生まれた。
下っ端ではあるが、母は中々に巨大なマフィアに所属していたらしい。
何故過去形なのか、それは両親が先刻死亡したからだ。

「うーん、暴走だったとは云え中々強力な異能力みたいですねー。」

フランは自身の異能によって殺害され床に転がる両親を見下ろしながら呟いた。
普通の十歳の子供なら精神崩壊モノだが、前世とはいえ暗殺部隊の幹部であったフランにとっては何とも無い光景だ。

「まー、死ぬ分にはいいんですけどー生活が大変になりますねー。」

『蛙が二匹』→

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