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家に金が無かった。



だから中学卒業と同時に、就職するつもりでいた。



担任も事情を知っているので反対はせず、それどころか職場を紹介してくれるらしい。やったぜ。



中学入学時から内職やらバイトやらはしていたので、働くことに抵抗はない。そのせいで成績は散々だったけど。



そういうわけで私が選んだ職は「清掃員」。




面接の日時は丁度卒業式の日。



友達のいなかった私に挨拶をくれる人など、頭の毛の薄い担任くらいだろうし終わった瞬間に学校を出るつもりでいた。



当日、やはりそうなって担任にお礼を早口で言って即座に校門に向かった。



桜の花びらが舞い、同級生の声が遠くに聞こえる中で、卒業証書引っ掴んでぼっちで校門をくぐる私。なんか虚しくなってきた。




まぁ良いや、と気を取り直して大体の場所が書かれた地図に目を落とす。




スマホなんて立派なもん契約してるわけもなく、地図はPC室で印刷したもの。




インクが薄いせいで掠れて読みにくいそれに、目を細めてどうにか行き先の位置を確認する。




「ここのビル……だよね?」




歩きながら確認する。




ここだと、この方向で合ってるよね?




そう考えながら曲がると、そこには。




「あ、いらっしゃいましたね!」




……一匹の、黄色い狐がいた。

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- 続きが気になります(●´▽`●) (2021年3月26日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨女 - すっごく面白いです!!今後の展開が、気になります! (2021年1月19日 21時) (レス) id: 106bf1ec1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅亞-くれあ- | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2021年1月3日 19時

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