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贈り物 ページ10

何の事を言っているか分からなくて、小さく首を横に振る。


A『なんの…話…?』


雪はAの手に乗せた封筒の上に手を乗せて


雪『これが教えてくれるわ。』


と言って笑った。


ソファの上の小さな段ボールを両手で抱える。


雪『それじゃ。行くわ。』


凛『雪さん!』


雪『あ、見送らないで。そういうのダメなの。』


雪はあっけらかんと言うと、事務所の入り口で頭を下げる。


雪『お世話になりました。』


みんなが必死に引きとめるうまい言葉を考えている時。


Aは雪から渡された封筒を開ける。


その中身にハッとして入り口で顔を上げた雪に顔を向けた。

雪はとても優しい笑顔でAを見ると、小さく何度も頷いていた。


そっと扉を開けて出て行く雪。


Aは泣き出してしまいそうな顔で封筒の中身に視線を戻す。


A『バカ…。ほんっと…バカ…。』


目をきつく閉じて、溢れそうな涙を必死にこらえる。


中身を封筒に戻すとそれを額に当ててその場に座り込んだ。


ありがと…


雪…


声を押し殺して肩を震わせる。

滅多に見ない、芝居意外でのAの泣いている姿を、従業員や凛は、顔を歪めて見ているしか出来なかった。


自分の車に段ボールを放り投げる雪。


運転席に座ると、携帯を取り出して耳に当てた。


雪「例のお話お受けします。ただし条件が…。」


相手の話に何度か頷くと、電話を切って助手席に携帯を放る。


知ってたわ…


韓国の大使館で行われるパーティへの招待を断った理由…


女優である事に戻ったら…


リアルにまた一歩踏み出す事が怖いと後ずさりしてしまう…


そんなあなただから…


その気持ちが分かるから…


私からあなたに…


マネージャーとしてではなく…


最高のパートナーであり…


親友であり…


可愛い妹であるあなたに…


ささやかな贈り物よ…


なんだか少し涙目になってしまって、雪は軽く鼻をすすると、自分を笑い飛ばすように息を吐く。


シートベルトを締めてエンジンをかけると、ゆっくり車を走らせた。

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設定タグ:SUPERJUNIOR , ドンヘ , 妄想恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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潤羅(プロフ) - 前作といい今作も泣いてしまいましたTT (2012年7月15日 10時) (レス) id: 4f8561ebe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆちょみん | 作成日時:2012年7月15日 8時

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