3度目の邪魔 ページ10
監督『遅れていた分は撮り終えたから、少し休憩にしよう。』
そう言う監督にAは横から
A『休憩はしないわ。撮り続けて。』
と言葉だけ投げる。
スタッフの差し出すお茶をグッと飲む。
戸惑う顔のスタッフたち。
監督が悩む顔を見せていると
ケンシ『いーんじゃねぇの？女王がそう言うんだから。』
今日のメインのシーンのセットが用意されて、その中に立って笑うケンシ。
監督『体調は大丈夫なのかい？』
そう聞かれてAはケンシの不敵に笑っている顔をジッと見て
A『大丈夫よ。』
と言った。
結局そのまま撮影が続けられる事になって、スタッフたちはまた慌ただしく動く。
セットの中はケンシ扮する役の部屋の寝室。
恋人同士の二人が結ばれるシーン。
こういうシーンは誰もが少し緊張してしまう。
回りだすカメラ。
見守るスタッフの視線。
軽薄な笑顔とはうって変って役に入りきるケンシの眼差し。
促されるがままベッドに腰を下ろしてお互いを見つめあう。
その顔で…
俺に抱かれに来い…
お前は…
俺のものだ…
ケンシは見つめるAに頭の中でそう囁いて顔を近づけて行く。
寄ってくるカメラ。
モニターに、世界にどっぷり入りこんだ二人の表情が映し出された。
そっと開くスタジオの扉。
やっと3スタを探し出せたドンヘは、息を乱して中に入る。
静まり返るスタジオ。
スポットが当たっているセットの中に誰もが集中していた。
今まさにケンシがAに顔を寄せて、その唇を奪おうとしている瞬間。
DH「A！！」
Aの閉じた瞼がハッとして開かれる。
スタジオ中が大きな声を出したドンヘを振り返った。
緊張したいい絵が撮れていたのに、台無しになってがっかりした顔の監督。
ケンシ『チッ…またかよ…。』
3度も邪魔されてうっとおしそうなケンシ。
ドンヘはスタッフたちの間を抜けてセットの中に上がり込むと、Aの腕を掴んだ。
DH「帰るぞ。」
そう言って掴んだ腕をグイグイ引っ張る。
セットから引きずり出されて扉まで連れていかれる途中で、Aは掴まれていた腕を振りほどく。
A「ちょっと！ドンヘ！」
まだ少し熱かったAの腕。
A「なんなの！？」
DH「それはこっちのセリフだ！」
ドンヘも少し怒った顔をしていた。
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ゆちょみん(プロフ) - >はるちょるさん いつもコメントありがとうございます＾＾ いやぁ…大げさですが嬉しいです/// (2012年7月15日 8時) (
レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
はるちょる(プロフ) - 感動感動です！本当ゆちょみんさんの作品は素敵です！大好きです！ドラマ化してほしいです^^できます！！！でも、自分役の人に嫉妬しちゃいますね(笑) (2012年7月15日 1時) (レス) id: 585b654a98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >うーたんさん いつもありがとうございます＾＾ アメブロの方が皆さんアクセスしやすければ戻してもいいのですが…。まだ続きますが、次回作も書いている最中です＾＾ (2012年7月15日 0時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >みやもさん コメありがとうございます＾＾ 読んでくださって嬉しいです♪最後まで見守ってあげてくださいね！ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >まおさん 切ないのはゆちょみんのお得意コースですからｗｗ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2012年7月12日 10時
