空っぽの病室 ページ8
夕方。
雪の車で病院まで送って貰ったドンヘ。
また後で迎えに来ると言う雪と別れてAの病室へ向かう。
手には小さなガーベラのブーケ。
静かな病院の廊下をドンヘの足音だけが響く。
Aの病室の扉の前で、なんとなく照れくさいようなドキドキする感じを覚えて、深呼吸をひとつした。
2度のノック。
取っ手に手をかけて、ゆっくり開く。
DH「A。体調ど…う…。」
中に一歩足を踏み入れて広がっていたのは、空っぽの病室。
開きっぱなしの窓際で、やっぱりカーテンが風に吹かれて揺れていた。
DH「A？」
無くなっている靴と鞄。
椅子の上のジャケット。
まさか…
仕事へ行ったんじゃ…
ドンヘは嫌な鼓動の早さを覚えると、手にしていた小さなブーケをベッドに放りだして病室を飛び出した。
時折すれ違う看護婦が、驚いて振り返る。
病院の入り口で、ズボンのポケットから携帯を取り出す。
コールした先は
雪「はい。」
もうすっかり慣れた雪の声。
DH「雪さん！Aは今日どこで仕事なの！？」
慌てているドンヘの声。
雪「え…今日から青山のスタジオだけど…。どうかしたの…？」
ドンヘは携帯を切ると、正面玄関で止まっているタクシーに乗り込む。
DH『青山！テレビ！スタジオ！行って！』
と分かる限りの日本語を大きな声でまくしたてた。
走り出す車の中で妙に落ち着かず何度も足を組み替える。
その間に何度Aの携帯をコールしても、留守番電話に繋がるだけだった。
どうして…
どうして…
君の現実へ戻ろうとするんだ…
俺の腕の中は…
君にとって…
とどまる場所じゃなかったって事なのか…？
時々渋滞に捕まって目的の場所に到着するまでに随分時間がかかった。
青山のスタジオの前に車が止まると、人の多いロビーに飛び込む。
帰り仕度をしていた制服姿の受付の女性に
DH『Aどこ！？』
と怒鳴りつけるように声をかける。
SUPERJUNIORのドンヘだとすぐに把握した受付の女性は、その剣幕にたじろいで
受付『3スタです…。』
と怯えた声で答える。
ドンヘはそれを聞くと、行き交う人にぶつかるのも気にせずエレベーターに飛び乗った。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ゆちょみん(プロフ) - >はるちょるさん いつもコメントありがとうございます＾＾ いやぁ…大げさですが嬉しいです/// (2012年7月15日 8時) (
レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
はるちょる(プロフ) - 感動感動です！本当ゆちょみんさんの作品は素敵です！大好きです！ドラマ化してほしいです^^できます！！！でも、自分役の人に嫉妬しちゃいますね(笑) (2012年7月15日 1時) (レス) id: 585b654a98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >うーたんさん いつもありがとうございます＾＾ アメブロの方が皆さんアクセスしやすければ戻してもいいのですが…。まだ続きますが、次回作も書いている最中です＾＾ (2012年7月15日 0時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >みやもさん コメありがとうございます＾＾ 読んでくださって嬉しいです♪最後まで見守ってあげてくださいね！ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >まおさん 切ないのはゆちょみんのお得意コースですからｗｗ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2012年7月12日 10時
