ブレスレット ページ7
昼過ぎ。
少し開いた窓から、子供の楽しそうな笑い声が聞こえて、Aは目を覚ました。
まるで長い事寝ていたみたいな身体の重たさ。
手で頭を抑えて、身体をゆっくり起こす。
ふと気付く右手首のブレスレット。
自分の腕をゆっくりまわして不思議そうに眺める。
A『これ…ドンヘの…。』
指でそっとブレスレットを撫でる。
思い出してしまう、自分の身体を抱いていたドンヘの腕の強さと焼かれそうな唇の感触。
裸足のままベッドから降りると、少しまだふらつきながら窓際へ。
小さく開いた窓を大きく開け放つと、カーテンが勢いよく風に揺れた。
よく晴れたいい天気。
窓から見下ろせる中庭には、入院患者だと思われるパジャマ姿の子供が、看護師と楽しそうに笑っていた。
手すりに寄りかかって暫く外を眺める。
普段の生活からは考えられないくらい、のんびりした空気が流れていた。
太陽の光を受けて輝く右手のブレスレット。
何となくボーッとする頭で、光にかざしては綺麗に反射しているのを見て微笑んだ。
どこへ行っても…
誰と居ても…
所詮…
私は私…
私からは…
逃げられない…
ドンヘの腕の中は…
心地よかった…
私の心の中まで…
全て抱き締めてくれた…
だけど…
あんな心地よい場所に…
私みたいな女が…
守られてはいけない…
少し寂しそうな顔で窓際から離れると、乱れた髪を整えて、椅子にかけてあったジャケットを羽織る。
自分の鞄を肩からかけて、揃えて置いてあったヒールを履くと、風に身を任せて揺れているカーテンを横目で見る。
私は…
永遠に…
自由にはなれない…
自由では…
いられないから…
だから…
私は私の現実へ戻ろう…
頭の中でそう呟いて、Aは病室を出て行った。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ゆちょみん(プロフ) - >はるちょるさん いつもコメントありがとうございます＾＾ いやぁ…大げさですが嬉しいです/// (2012年7月15日 8時) (
レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
はるちょる(プロフ) - 感動感動です！本当ゆちょみんさんの作品は素敵です！大好きです！ドラマ化してほしいです^^できます！！！でも、自分役の人に嫉妬しちゃいますね(笑) (2012年7月15日 1時) (レス) id: 585b654a98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >うーたんさん いつもありがとうございます＾＾ アメブロの方が皆さんアクセスしやすければ戻してもいいのですが…。まだ続きますが、次回作も書いている最中です＾＾ (2012年7月15日 0時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >みやもさん コメありがとうございます＾＾ 読んでくださって嬉しいです♪最後まで見守ってあげてくださいね！ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >まおさん 切ないのはゆちょみんのお得意コースですからｗｗ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2012年7月12日 10時
