言えない言葉 ページ35
なんて…
言おうとしたんだろう…
ドンヘ…
いつ帰ってくるのかな…
椅子の背もたれに頭を倒すと、視界に入るそっけない骨組みだけの天井。
薄暗いスタジオの中の景色を見ながら、Aは大きなため息をついていた。
SD「なんだよ、切られちゃったのか？」
シンドンは茶化してドンヘの背中を叩く。
苦笑いのドンヘ。
昨日ドンヘと話をしたウニョクには、とても寂しそうに見えた。
あのさ…
この仕事が終わったら…
韓国で…
一緒に暮さないか…
言える訳がない…。
日本で…
女王の座にいる女優に…
面と向かうと…
きちんと伝えられなさそうだったから…
電話でと思ったけど…
やっぱり…
言える訳ない…
物思いにふけるドンヘ。
ウニョクは微笑んで肩を軽く叩く。
その小さな笑顔にホッとさせられて、ドンヘは小さく微笑みを返した。
ドンヘが韓国へ行ってから5日目の昼。
A『いい加減にしてくれる！？何度言えば分かるの！そこはもっと感情を入れてよ！』
相変わらず棒読みの新人女優に、Aは毎日怒鳴りながら芝居の手ほどきをしつつ撮影をしていた。
新人女優は涙目になりながら、Aの言う事に何度も頷く。
A『ちょっと休憩にして…。』
Aは監督とスタッフにそう投げ捨てると、スタジオを出て行った。
慣れたスタジオの通用口から裏口へ出る。
ふと、まさぐるポケット。
ハッとしてゆっくり手をポケットから抜いた。
A『そう言えば…私…いつタバコやめたんだろ…。』
いつもここでタバコの煙をくゆらせていた。
いつの間にか吸わなくなって、いつの間にか持ち歩かなくなった事に気付いた。
ドンヘにタバコを取られて…
休憩を邪魔された事に腹が立って…
意味も分からず…
一緒に暮せと言われて…
それから…
吸ってなかったな…
なんとなくやり場に困る手を眺めて軽く握る。
いつもはチョコチョコ人通りのある裏口。
その日は誰も人影がなくて、Aは扉に寄りかかってよく晴れた空を見上げた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ゆちょみん(プロフ) - >はるちょるさん いつもコメントありがとうございます＾＾ いやぁ…大げさですが嬉しいです/// (2012年7月15日 8時) (
レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
はるちょる(プロフ) - 感動感動です！本当ゆちょみんさんの作品は素敵です！大好きです！ドラマ化してほしいです^^できます！！！でも、自分役の人に嫉妬しちゃいますね(笑) (2012年7月15日 1時) (レス) id: 585b654a98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >うーたんさん いつもありがとうございます＾＾ アメブロの方が皆さんアクセスしやすければ戻してもいいのですが…。まだ続きますが、次回作も書いている最中です＾＾ (2012年7月15日 0時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >みやもさん コメありがとうございます＾＾ 読んでくださって嬉しいです♪最後まで見守ってあげてくださいね！ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - >まおさん 切ないのはゆちょみんのお得意コースですからｗｗ (2012年7月14日 22時) (レス) id: e0d8d6d975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2012年7月12日 10時
