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13:hk ページ13

「有岡さん、ちょっといいですか?」

「え…?あ、はい」



収録が終わり、メンバー全員でぞろぞろと廊下を歩きながら楽屋へ向かっていると、ふいに後ろから追いかけてきたADさんに大ちゃんだけ呼び止められ、自然と足が止まった。
大ちゃんと並んで一番後ろを歩いていたため俺以外はそのことに気付いておらず、慌ててみんなを呼び止めようとした瞬間、腕を掴まれ思わず言葉に詰まる。
いつも温かいはずの大ちゃんの指先はゾッとするほど冷たくて、無意識のうちにその手に自分の手を重ねればハッとしたように顔を上げ、笑顔を作られてしまったため何も言えなくなってしまう。



「ごめん、ひか。先に行ってて」

「わかった」



俺のことは待ってなくていいから。


それだけ言ってADさんのもとへ駆け寄って行ってしまった大ちゃんの後ろ姿を眺めていると何故か胸が騒めき出したのがわかる。
だけど今更呼び止めることは出来なくて、モヤモヤした気持ちのまま楽屋へ戻るとすぐに大ちゃんがいないことに気付いた山田に話しかけられた。



「あれ。光くん、大ちゃんと一緒じゃないの?」

「あ、うん。ADさんに呼ばれてたから先に戻って来た」

「…そうなんだ」

話したい事あったのになぁ、と小さな声で呟いた山田の言葉は聞かなかったことにして、部屋の隅のほうで着替えていると山田を含めこの後も別の現場がある組はすぐに部屋から出て行ってしまった。



「光は大ちゃん待ってる?」

「んー…。そうしよっかなぁ」

「じゃあ俺達は先に帰るね。お疲れさん」



残っていたメンバーと他愛のない話をして時間を潰し、彼らが帰ってしまったあとは適当にスマホを弄りながら大ちゃんが戻ってくるのを待っていると突然楽屋の扉が開き、文字通り大ちゃんが転がり込んできた。
真っ青な顔をして体を小刻みに震わせている姿を見た瞬間、考えるよりも先に動いていて、気が付けば腕の中にすっぽりと納まってしまった小さな体を抱きしめていた。
何があったのかはわからないけれど、明らかに怯えている様子に今はそれを詮索すべきでないことだけはわかり、安心させるように背中をポンポンと叩いてやると胸元に顔を埋めたまま動かなくなってしまう。



「大ちゃん……?」

「ごめん、ちょっとだけ…」



そう言って腰に回された腕は未だに震えていて、もどかしい気持ちになる。









ねぇ、大ちゃん。



やっぱり俺は代わりにはなれないんだね。

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やぶありLOVE(プロフ) - 更新お願いします! (2019年7月5日 5時) (レス) id: a774dd9b98 (このIDを非表示/違反報告)
柚夢(プロフ) - ありさん» ありさん、はじめまして!コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい、申し訳ありません^^;訳あって暫く更新が停滞しておりましたが、これからまた少しずつ更新していけるかと思うので最後まで楽しみにしていただけると嬉しいです! (2018年9月4日 23時) (レス) id: e7612f0310 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!これからの展開がとても楽しみです!更新頑張ってください´ω` (2018年8月16日 12時) (レス) id: 9b6fba23c4 (このIDを非表示/違反報告)
柚夢(プロフ) - やまありラブラブさん» やまありラブラブさん、こちらにもコメントありがとうございますー!!最後はちゃんとやまありになるのでご安心下さい(笑)今後も完結まで楽しんでいただければ幸いです(^_^) (2018年5月21日 20時) (レス) id: e7612f0310 (このIDを非表示/違反報告)
やまありラブラブ(プロフ) - ホシアイの方でコメントさせていただいた者です。こちらも、切なくなりながら、拝見させていただいてます。これからが、今後の展開が、とても気になっています。楽しみにしているので、頑張って下さい。 (2018年5月21日 15時) (レス) id: 556ce3724e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚夢 | 作成日時:2018年5月6日 23時

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