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「では、改めて。初めまして、神憑きの皆さん。元気いっぱい三十路お兄さんこと、奉日本創一朗だ。…………んん? そこまでシーンとなるところだったか? ……まあいいか。それはさておき、僕の名前、長いだろう? 読みも書きも、兎に角多い名前でね。漢字なんて6文字あるんだ、簡単な漢字が多くて良かったと思っているよ。よく知人からは『そうちゃん』だの『そういち』だの呼ばれていた。皆の好きなように呼んでもらって構わないよ。…………さっきからなぜそんなに黙る? ……なるほど、服装が気になるのか。この服はお気に入りの服でね、なんと言っても熟語の書かれた、とてもかっこいいTシャツだ。なかなか洒落てるだろう? それほど興味があるのなら、Tシャツを貸してやろう。今は無理だが、全て終わった後なら貸してやれるだろう? ……おや、その必要ないのか? …………あっははは! なるほど、見事に断られたわけだ。愉快愉快!」
「あーえっと、約束した神さんの話だったな。燈火産霊神……まあ、燈神の方が聞き馴染んでるかもな。僕は、その燈神様と約束をしたんだ。あー、約束の内容の話は無しな? 流石に少し、言いづらい。……んで、その神さん、火を司る神様として知られているが、本当のところ、司ってるのは灯火なんだ。灯した火、明かりとも言えるあの灯火だよ。火って聞くと、かっこいいようで恐ろしかったり、少し複雑な思いがあるかもだが、灯火って聞くと、案外可愛く思えるだろう? …………ん? どうした、急に。……そうか。まあ、なんでもないならいいが…………あ、そうそう、あの方だ。あそこで七輪見て喜んでる短髪の……って、神さん何してんだ?」
「……すまん、名前もう一度教えて貰えたりするか? いや、あの時はしっかり聞いていて、しっかり覚えていたはずなんだが、どうしてもモヤがかかっていてね。まだ若いはずなのに、もう物忘れのような症状が出ているなんて……おっと、話が逸れてしまったね。よかったら、もう一度名前を教えてくれると助かる。…………[名前]君だな、[名前]君、よし。……ああ、なるほど。渾名あるのなら、それで呼ばせもらおうか。迷惑を掛けてすまんな。ありがとう、[渾名]」
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