鍵は水の中に

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小山内正一が国外逃亡を図っているらしく
台風がモロに直撃している中
ダムの底に沈んだ"野田釜飯食堂"を捜査する事となった


ダムの底の水深200M
そして台風


「自 殺行為ですよ！」


西野さんの声が響いて
隊長は俺が潜ると言った


「俺に着いてく 『私も潜ります』


隊長を真っ直ぐ見て言った


「A！水深200Mだよ！？」


姉さんが私の腕を掴んで
泣きそうな目で私を見た


『約束したんです。もう一度会わせると。
行かせてください。隊長』


私がそう言うと
隊長は呆れたように笑った


「他にいるか」


隊長がそう言うと
瀬能が声を上げた


「俺も行かせてください」


私はそっと姉さんの手を解いて
直ぐに準備へと取り掛かった


『会えないままは、苦しいから』


そう言うと姉さんは決心したような顔になって
頑張れと背中を叩いてくれた


公安の清水さんにも小山内が逃亡する前に
必ず見つけ出すから準備して欲しいと隊長が言う


『私からもお願いします』

「Aさん、貴方も潜るんですね」

『必ず、野田広正さんを見つけ出してきます。信じて下さい』


清水さんは折れて
小山内正一を張り込むと言ってくれた


タイムリミットが近付いてくる


雨と風が強い中
隊長と瀬能と潜り込む


途中、瀬能がパニックになり
ヒモを切ると落ち着いたようだった


どんどん深く潜っていく


〔水深200M到達します！〕


耳から聞こえる声に
目をぐっと凝らしていく


沈んだ町


その中に出てきた"野田食堂"の看板


そして


『隊長！』


釜を発見して隊長と一緒に砂を払っていく


手を見つけて
歓声が聞こえる


『見つけましたよ』


貴方の帰りを待つ人達が居る

寝顔だけでも見せてあげて

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