鍵は水の中に

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瀬能陽生side


水族館に向かって
木見さんに令状を出した


案の定、最近餌を食べなくなっていたエイの胃袋の中に
被害者が着けていた物とは違うダイヤが出てきた


ダイヤの密輸だけではない
その口論で婚約者を殺した


木見さんが暴れた瞬間
俺の横をAが通った


「なんだ？…背の低い女に俺がやられると思っ…！


木見さんがAを殴ろうとした時
Aはその腕を掴んで背負い投げをした


プールでの検証が終わってから
どこか様子がおかしい気がする


目が、虚ろな気がする


『人の努力を潰しといて…何？』


Aは木見さんの胸ぐらを掴んで
木見さんの頬を水槽につけた


『アンタが壊したのは、婚約者だけじゃない
高田さんが作り上げた水槽も壊した、夢も！
アンタの夢が壊れたのは自業自得…
ちょっとだけなんて甘い考えに甘えた自分の責任』


Aは木見さんの胸ぐらを離すと
木見さんは涙を流していた


『高田さんは最後まで抵抗したってこと
その証拠が、エイの胃袋にあったダイヤ…
自分の首を自分で斬ったんですよ、貴方は』


Aはそれだけ言うと
その場から立ち去ってしまった


西野さんが後を追いかけたけど
大丈夫なのか？


西野さんも瑠璃さんも隊長も
3人でコソコソしてるのは知ってる


まさか、Aも


「(成合さんが生きているの、知ってる…？)」


俺の家に届いた変な封筒
Aの家にも届いていたりするのか…？


「瀬能、行くぞ」

「はい…」


Aのさっきの後ろ姿が
妙に目に焼き付いていた


〔 アンタの夢が壊れたのは自業自得…
ちょっとだけなんて甘い考えに甘えた自分の責任〕


自分に言い聞かせるかのように言っている気がして


Aと明日話してみるか

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