検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:54,529 hit

29 ページ31

瀬能陽生side


「A、お前も知ってたんだな」


先輩達が連れていかれ
俺はAの隣に並ぶと
西野さんも来てくれた


「Aが気付いたんだ。それで神田に調べてもらって…
黙ってて本当、すまなかった」


西野さんに謝られ
俺は複雑な心境でいた


「じゃあ、Aの今までのは…」

『中林の前では演技』

「え、好きな人だったってのも…」

『私、流石に男を見る目あると思う』


どこかでホッとする自分がいた


自分の気持ちなんて分かってるのに
長年腐れ縁だと自分の気持ちを言い出せない


相手が長年自分が勝手にライバル視してた相手だし


「Aさん!大丈夫ですか!」


公安の清水さんがAに駆け寄ってきて
首元に手を添えていた


「全く…無理をするなと言ったのに」

『心配しないでって言いましたよね』

「貴方、女なんですよ?分かってます?
…なんですか、その血が垂れた腕は」


Aの腕に視線を落とすと
左手首から血がポタポタと垂れていた


「A!いつ怪我した!」

「先に言え!」

『あ、多分、中林を拘束した時に
ナイフで突進された時ですかね。掠ったんでしょ』


俺と西野さんが大声を出して言うも
本人はケロッとして
舐めれば治るとか言っている


『それで見逃す人達じゃありませんし
私は大人しく病院に行きます
清水さん、送ってくれますか?』

「貴方って人は…」


Aは俺と西野さんの顔をチラッと見て
清水さんと一緒に行ってしまった


「気遣われたな」


西野さんが言うけど
俺はなんだか分からなかった


「新名隊長は、思ってるような人じゃないかもしれないぞ」


西野さんからそう言われて
俺は眉間にシワが寄る


「それに、Aが落ち込むぞ。
A、隊長のこと尊敬してるからな」


西野さんの優しそうな顔が
胸の奥がモヤモヤとした


ダメじゃねぇか、俺



________________________________________________

「2人きりになってまで話したかったことはなんです?」

『"記憶が戻るといいですね"って以前言ったでしょう』

「…えぇ、言いましたね」

『ヒントが欲しいんです』

「…"無いものは戻す気がない"と言っていた貴方がですか」

『"戻さなくちゃいけない"気がするから』

「…分かりました。ですが、その前に病院ですからね」

『…』

「それとも、私に手当されたいんですか?」

『病院行きます』

「それはそれで腹が立ちますね」

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
318人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆりあ - 初めまして!続きとても気になります。ぜひ!更新して下さい!! (7月19日 1時) (レス) @page40 id: e3b26bcb9a (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - おもしろかったです!続き楽しみにしてます (2022年5月29日 22時) (レス) @page40 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
侑夏(プロフ) - 更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧待ってます❣️ (2022年3月25日 23時) (レス) id: e20a630b51 (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - 次の最新も楽しみにしてます (2022年3月14日 7時) (レス) @page38 id: c14d4c58fd (このIDを非表示/違反報告)
ちょみぃ(プロフ) - マナさん» ありがとうございます。大丈夫です (2022年3月11日 5時) (レス) id: c98df20040 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちょみぃ | 作成日時:2022年2月28日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。