鍵は水の中に

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『綺麗…』


箱を開けると
中に入っていたのは
海の色をしたリングが通ったネックレス


思わず言葉が溢れるほどに綺麗だった


「でしょ？A、ネックレスしか着けないからさ」

「すげぇ…光の屈折でまた色が少し変わるんですね」

「そうなの。まさに、海でしょ？」


姉さんが瀬能に語ってて
大友さんや森田さんは「へぇ…」なんて言ってる


私は着けていたネックレスを外して
少しだけ細工をしてネックレスを着けた


「そういえば、Aさんが着けてるそのネックレスって何？」


大友さんが尋ねてきて
瀬能や森田さんも興味津々になる


『母の形見です。父との結婚指輪ですけどね』

「そうなんだ…綺麗な指輪だよね」


森田さんがそう言うと
私も少しだけ顔が綻んだ気がした


『もう1つを探すのが…私の目標なんです』


父が着けていた指輪を探す
父とまた会えるように着けている


「…っ」

「Aさんって…」

「笑うと超綺麗なんだ…」

「でしょ？Aは笑うと可愛いんだから！」


皆さんがいきなりテンションが上がりだして
私は呆気に取られていた


でも、こういうのが心地良い


『では、私はやる事があるので』

「差し入れありがとう！」


姉さんの笑顔があれば
私は頑張れるよ


お父さんとまた会えるなら頑張れるよ


兄さんにも、会いたい


『こちらこそ、プレゼントありがとうございました』


運命は残酷過ぎて
時に水が、海が嫌いになりそう

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