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「 へー、それは ますます会ってみたいな。案外、気に入ってるんだね。飛貴くんは人の好き嫌い激しいほうなのに、珍しい。」
『 そうか? 』
「 そうだよ。那須雄登のことだって、毛嫌いしてるじゃん。まぁ…それは立場上、仕方ないとも思うけど。」
『 お前…何が言いたい? 』
雄登のことを持ち出されて、少しイラッとした。
「 ごめん、怒らないで。あの人のことよく知らないし、少ししか話したことないけど…俺は感じのいい人だと思ったんだよね。」
『 ふん、アイツは案外したたかなんだよ。お前はアイツの人当たりの良さに騙されてるだけだ。』
「 そ、そうかな? そんな風に言われると何も言えないけどさ…」
『 当たり前だ。アイツは財産目当てで、浮所家を乗っ取ろうとしてるに決まってる。そんなこと絶対にさせない。』
「 乗っ取るなんて穏やかな話じゃないね… そりゃ、あの人だって色々と思うところはあると思うよ。でもそんなこと考えてるかなぁ?」
『 さぁな。俺の思い込みと思うならそう思えばいい。アイツの本心なんて誰にもわからないんだから。』
「 だから毛嫌いしないで、お互いにもっと話せばいいのに。もう一年以上一緒に暮らしてるんでしょ? 」
『 あー、もう煩い! 生意気言うな。もう寝ろ!』
そう言って龍斗の顔に枕を投げつけた。
「 いったっ! もう…顔狙うならもっと手加減してよ、、痛いなぁ。はいはい、もう黙りますって。おやすみ。」
ったく…龍斗のやつ。
口が減らないんだから…
ほんと生意気言うようになったもんだ。
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作者名:wawa | 作成日時:2020年8月8日 21時