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瑞稀の笑顔を見ると、ホッとすると同時に何故か胸が苦しくなるんだ。


黙ったままジッと見つめていると…

「 …雄登くん、どうかした?」

『 え…あっ、いや。何でもない。』

「 そ、そっか。じゃリビングに行こうか。」

『 うん… 瑞稀! あのさ… 俺、あの時…その倒れた時さ…何か…』

「 う、うん。あの… えと…な、何もないよ!だから心配しなくて大丈夫、大丈夫だから。」

焦った様子で早口で そう告げてくる瑞稀。



大丈夫って…何が大丈夫なんだよ。

やっぱり瑞稀に聞かれてたんだ。



なのに、また何か勘違いしたまま自己完結しようとしてる?

全く、相変わらずだな。


でも悪いけど…
スルーさせる気はないよ。


『 何が? 何が大丈夫なの?』

見つめ合ったまま、ゆっくりと瑞稀に近づく。


「 えっ… 雄登くん…?」

近づいて瑞稀に触れようとした瞬間…


「 井上先輩、那須先輩、準備できましたか?」

ハッとして振り返ると猪狩がドアの入り口に立っていた。


「 猪狩くん! うん、準備できたよ。ねっ、雄登くん。」

『 えっ…あぁ、うん。』


邪魔が入ってしまった…


明らかにホッとした様子の瑞稀と、落胆する俺。


瑞稀は猪狩と一緒に先に部屋から出て行ってしまった。


俺はため息をついて、大きく肩を落とした。

146.瑞稀side→←144



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作者名:wawa | 作成日時:2020年8月8日 21時

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