秘めた想い 3 (ページ36)

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136.瑞稀side ページ36

俺を抱きしめていた雄登くんが、肩にもたれ掛かってきた。

『雄登くん！雄登くん！』

呼びかけるけど…意識が朦朧としてるみたいで、

『雄登くん…しっかりして！』

体が熱いと思っていたけど…

額に手を当ててみると、かなりの熱があるみたいだ。

どうしよう…

救急車呼ばなきゃ！

パニックになりかけていたその時、

「先輩？あっ、やっぱり井上先輩だ。こんなところで何して…って、えっ、那須先輩？」

『猪狩くん！雄登くんが…熱があるみたいで倒れてしまって。きゅ、救急車呼んで！』

「ちょっ、先輩、落ち着いてください！熱なら、とりあえず様子をみましょう。俺の家すぐ近くなんで…ちょっと待っててください。親に電話しますから。」

そう言って猪狩くんは、家の人に電話してテキパキと手配をし、雄登くんを猪狩くんの家に運んでくれた。

まさかこんな形で猪狩くんの家にお邪魔することになるなんて、思ってもみなかったけど…

『ありがとう… 猪狩くんのおかげで助かった。』

「いえ、お役に立てて良かったです。先輩には、いつもお世話になってますし。那須先輩、解熱剤飲んだら落ち着いたみたいですね。」

『うん、ほんと一時はどうなることかと思ったよ。』

猪狩くんの家のベッドで、穏やかな寝息を立てている雄登くんを見て、ホッと胸を撫で下ろした。